演劇

劇作家の歴史と役割について

演劇の脚本を執筆する劇作家の歴史、役割、英語の語源、現代における制作環境について解説します。

📌 主なポイント

  • 劇作家は、演劇の上演のために書かれる戯曲の作者であり、日本においては演出家を兼ねる者も多い。
  • 今日まで作品が残る最も古い劇作家としては、紀元前5世紀頃の古代ギリシアの悲劇作家たちが挙げられる。
  • 英語の「playwright」という言葉は、イングランドの詩人ベン・ジョンソンが使用したことに由来する。

劇作家(げきさっか、英: playwrightdramatist)は、演劇の上演のために書かれる戯曲の作者である。戯曲家と呼ばれることもあり、日本においては演出家を兼ねている者も少なくない。

歴史的背景と古代の劇作家

西洋文学において、今日まで伝えられている最も古い劇作家は古代ギリシアの劇作家たちである。紀元前5世紀頃、アテナイで毎年開催されていた劇作家たちの競技のために作品が書かれていた。アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス、アリストパネスといった著名な劇作家たちは、現在に続く演劇の様々な形式を確立した。

こうした初期の作品である戯曲は、通常は俳優によって観客の前で演劇として上演されるために執筆された。一方で、上演を目的とせず読まれることを主眼として書かれたレーゼドラマや、戯曲の形式をとりながらも上演を意図していない作品も存在している。

用語の由来

英語の「playwright」という言葉は、イングランドの詩人ベン・ジョンソンが用いたとされる。ジョンソンは1600年代のエピグラム49「劇作家へ」の中で、商売として受ける作品を作る劇作家を見下すニュアンスで「プレイライト」という表現を用いていた。

当時、劇は常に韻律を伴っていたため、それを創作することは詩人の仕事であると考えられていた。ジョンソン自身も戯曲を執筆していたが、自身のことは常に「詩人(poet)」と称していた。こうした見方は19世紀初めまで存在していたが、その後「playwright」という言葉が持つ否定的な含意は次第になくなっていった。

現代における環境と課題

現代のアメリカ合衆国などの状況においては、映画、テレビ、インターネットといった多様な媒体が台頭し、劇作家は観客の獲得において競合することを余儀なくされている。さらに、芸術への資金援助の課題や、非営利団体が運営する劇場によるチケット収入への依存は、劇作家が新作を発表する上での制約となっている。

例えば、ニューヨークのオフ・ブロードウェイにある非営利劇場「Playwrights Horizons」では、1973-74年のシーズンには31本の演劇を上演していたが、2002-03年のシーズンには6本に減少した。このように商業的および制作基盤の面で厳しい状況がある一方で、アメリカ劇作家組合(Dramatists Guild of America)のように、劇作家が演劇の上演に対して決定権を持つことを主張する組織も存在する。

よくある質問

劇作家とはどのような職業ですか?
演劇の上演を目的とした「戯曲」を執筆する作者のことです。戯曲家と呼ばれることもあります。
今日まで作品が残る最も古い劇作家は誰ですか?
紀元前5世紀頃のアイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスなどの古代ギリシアの悲劇作家たちです。
英語の「playwright」という言葉の由来は何ですか?
イングランドの詩人ベン・ジョンソンがエピグラムの中で使用したことに由来し、当時は商売的な劇の作者を見下すニュアンスが含まれていました。

関連記事

戯曲脚本家演出家古代ギリシア演劇

参考文献

  • Fraser, Neil (2004). Theatre History Explained. The Cowood Press, pp. 11.
  • Soloski, Alexis (2003-05-21). "The Plays What They Wrote: The Best Scripts Not Yet Mounted on a New York Stage". The Village Voice.
  • Johnson, Ben (1853). The Works of Ben Jonson. Boston: Phillips, Sampson, and Co., pp. 788.