プルンバン

📌 主なポイント
- ✓プルンバンの化学式はPbH4であり、鉛と水素から構成される金属水素化物である。
- ✓第14族元素の水素化物の中で最も重く、熱的に非常に不安定な性質を持つ。
- ✓分子構造は正四面体形(Td)をとり、鉛と水素の平衡結合距離は約1.73Åである。
プルンバン(英: Plumbane)は、化学式が PbH4 で表される、鉛と水素から構成される金属水素化物である。第14族元素の水素化物(メタン、シラン、ゲルマン、スタナンなど)の中で最も重い同族体であるが、熱的に非常に不安定であり、容易に水素原子を失う性質を持つ。

歴史的経緯と合成研究
プルンバンの存在に関する初期の報告は1920年代に遡るが、当時の実験手法で実際に純粋な合成が成功していたかどうかについては長年議論が続けられてきた。1963年になり、研究者らによる質量分析において PbH4+ イオンが観測されたことが報告された。
その後も、より軽い同族体であるシランやゲルマン、スタナン等の合成法をそのまま適用しても生成できないことが判明していた。1999年には、硝酸鉛(II)と水素化ホウ素ナトリウムを用いた合成アプローチが研究され、さらに2005年には発生期水素を用いない反応機構についての検証が行われている。また、2003年には固体水素中でのレーザー励起等を用いた赤外線吸収スペクトルの観測実験が行われ、分子の特性解明が進められている。
分子構造と物理的性質
プルンバンは不安定な無色の気体として存在すると理論的・実験的に示されている。分子構造は正四面体形(Td)をとり、鉛原子と水素原子の平衡結合距離は約1.73 Åである。重量パーセントの組成としては、約1.91%の水素と約98.09%の鉛から構成されている。鉛の電気陰性度が水素と比較して相対的に高いため、理論的な酸化数はそれぞれ水素が+1、鉛が-4とみなされる。第14族元素の水素化物(MH4、M = C〜Pb)の熱力学的安定性は、元素番号が大きくなるにつれて著しく低下する傾向がある。
量子化学的研究
プルンバンは、相対論的効果が重元素の化学結合や電子的性質に与える影響を評価するため、数多くの量子化学計算のモデルケースとして利用されてきた。ディラック・ハートリー・フォック方程式や結合クラスタ理論などを用いた高度なab initio(非経験的)計算により、その安定性や振動スペクトルについての理論的研究が行われている。
よくある質問
プルンバンの化学式は何ですか?
プルンバンはどのような状態の物質ですか?
プルンバンの分子構造はどうなっていますか?
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参考文献
- Porritt, C. J. (1975). Chem. Ind-London 9: 398.
- Hein, Thomas A.; Thiel, Walter; Lee, Timothy J. (1993). "Ab initio study of the stability and vibrational spectra of plumbane, methylplumbane, and homologous compounds". The Journal of Physical Chemistry 97 (17): 4381–4385.
- Paneth, Fritz; Nörring, Otto (1920). "Über Bleiwasserstoff". Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft (A and B Series) 53 (9): 1693–1710.
- Wang, Xuefeng; Andrews, Lester (2003). "Infrared Spectra of Group 14 Hydrides in Solid Hydrogen: Experimental Observation of PbH4, Pb2H2, and Pb2H4". Journal of the American Chemical Society 125 (21): 6581–6587.