電力・エネルギー

電力供給の基盤施設である発電所の構造と歴史

電力供給の基盤施設である発電所の構造と歴史
発電所の定義や立地、主要なエネルギー源、日本における歴史や運用体制の変遷について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • ✓発電所は発電設備や送電設備、管理組織から構成される電力供給の基盤施設である。
  • ✓1891年に京都市の蹴上発電所が日本で初めて一般供給用の水力発電による送電を開始した。
  • ✓1960年代以降、制御システムの電気化や自動化が進み、遠隔監視や無人化が行われるようになった。

発電所とは、発電設備を備え、電力を生み出すことを主目的に行う施設である。電力会社が公共の電力供給を行う大規模な施設を指すことが多いが、製鉄所や商業施設などの自家消費を目的とした私的な発電施設もこれに該当する。

施設は、電力を作る発電装置や関連設備のほか、電気を消費側に送出する送電設備、および運用・管理を行う人的組織から構成される。電力網の信頼性を保つため、設備に冗長性を持たせたり、複数の発電所を並列に接続したりする対策が講じられている。

英国のダービーシャーにあるRatcliffe Power Plant(2006年3月)
英国のダービーシャーにあるRatcliffe Power Plant(2006年3月)

立地とエネルギー源

発電方法によって必要な環境が異なるため、立地場所も多様である。水力発電は山岳周辺の高低差を利用する一方、火力発電や原子力発電は大量の冷却水を必要とするため、河川や海の近くに設けられることが多い。また、送電損失を低減するため、電力消費地に近いことも求められる。

エネルギー源としては、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料、ウランなどの核エネルギー、降水を利用する水の位置エネルギー、および太陽光や風力などの再生可能エネルギーが利用されている。

蹴上発電所、京都市左京区
蹴上発電所、京都市左京区

日本における歴史と運用体制

日本における一般供給用の水力発電の歴史は、1891年に京都市で送電を開始した蹴上発電所に始まる。その後、明治から大正にかけて各地に大規模な水力発電所が建設された。

高度経済成長期に入ると、水力発電に適した地点が限られたことや工事の長期化を背景に、都市周辺へ大容量の火力発電所が多数建設されるようになった。1970年代以降は原子力発電所の登場に伴い、夜間余剰電力を利用するための揚水発電所も各地に整備された。

運用体制の面では、1960年代から電気式制御システムへの置き換えが進み、1990年代以降はデジタル制御の進歩により遠隔監視や自動運転、無人化が広範に進められている。

よくある質問

発電所の主な構成要素は何ですか?
発電装置などの発電設備、送電・変電設備、通信設備、非常用電源や保安装置、環境対策装置などで構成されています。
日本における最初の一般用発電所はどこですか?
1891年に送電を開始した京都市の蹴上発電所が、一般供給用としては日本最初です。

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参考文献

道上勉著 電気学界 『発電・変電』 2000年6月; 西嶋喜代人、末宏純也著 『電気エネルギー工学概論』 朝倉書店 2008年