物理学
圧力の物理的定義と性質

物理学における圧力の定義、単位、および熱力学的な性質について解説します。スカラー量としての側面や、流体・固体における役割を詳述。
📌 主なポイント
- ✓圧力は単位面積あたりに垂直に作用する力として定義される。
- ✓国際単位系(SI)における圧力の単位はパスカル(Pa)である。
- ✓熱力学において圧力は示強変数であり、系の状態を記述する重要な指標である。
圧力(あつりょく、英: pressure)は、物体や流体の単位面積あたりに垂直に作用する力の大きさを指す物理量である。物理学や工学において、系の状態を記述するための基本的な示強変数として扱われる。
物理的定義
圧力は、ある面に対して垂直に働く力Fを、その面の面積Aで割った値として定義される。数式では p = F / A と表される。圧力は一般的にスカラー量として扱われるが、連続体力学などの文脈では、応力テンソルの対角成分として記述されることもある。
単位
国際単位系(SI)における圧力の単位はパスカル(Pa)であり、1平方メートルあたり1ニュートンの力が作用する状態(1 N/m²)と定義されている。歴史的あるいは分野特有の慣習により、バール(bar)や重量キログラム毎平方メートル(kgf/m²)、ポンド毎平方インチ(psi)といった単位も用いられることがある。
熱力学における役割
熱力学において、圧力は系の状態を決定する重要な状態量である。平衡状態にある流体において、圧力は系の体積変化に伴う仕事と密接に関連している。田崎晴明の『熱力学 現代的な視点から』では、圧力は系の内部エネルギーやエンタルピーを定義する際の共役変数として位置づけられており、熱力学的な平衡状態を記述する上で不可欠な要素である。
性質
圧力は示強性を持つ量であり、系の大きさには依存しない。流体中では、静止している限りあらゆる方向に等しく働くという性質(パスカルの原理)がある。また、固体内部においても応力として存在し、材料の変形や破壊を理解する上で重要な指標となる。
よくある質問
圧力はベクトル量ですか?
圧力そのものはスカラー量として扱われますが、面に対して垂直に働く力という性質上、方向性を持つ力と密接に関連しています。連続体力学では応力テンソルとして扱われることもあります。
パスカル(Pa)とはどのような単位ですか?
1平方メートルの面積に1ニュートンの力が垂直に加わるときの圧力を1パスカルと定義します。
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熱力学流体力学応力パスカルの原理
参考文献
- 田崎晴明『熱力学 現代的な視点から』培風館、2000年、51頁。
- 清水明『熱力学の基礎I』(2版)東京大学出版会、2021年、100,166,291頁。
- ブリタニカ国際百科事典【圧力】