私立大学の仕組みと経営構造

📌 主なポイント
- ✓日本の大学総数のうち、私立大学は約4分の3を占め、学生数は全大学生の約8割に達する。
- ✓私立大学の収入の約8割は学生生徒納付金が占め、国からの私学助成は約1割程度である。
- ✓私立大学の一般入試は、国公立大学に比べて試験科目数が少ない傾向があり、多様な日程で自由に併願できる。
私立大学(しりつだいがく、英: private university)とは、非営利の学校法人や株式会社などの民間組織によって設置および運営される高等教育機関である。
日本の私立大学における設置と経営
日本国内において、私立大学は主に学校法人または株式会社(学校設置会社)によって設立される。学校法人には一般的なもののほか、特別の法律によって設置される放送大学や沖縄科学技術大学院大学などが含まれるほか、国や地方公共団体が設立に関与した自治医科大学や産業医科大学といった公設民営大学も私立大学の区分に含まれる。
日本の大学全体のうち、私立大学は4分の3を占め、学生数においても全大学生の約8割に達している。その収入構造は、国立大学法人が国からの交付金や補助金に大きく依存しているのに対し、私立大学は学生生徒納付金(学納金)が収入全体の約8割を占めており、国からの経常費補助金(私学助成)は約1割程度にとどまる。
経営環境と定員の動向
少子化の進行に伴い、私立大学の経営環境は厳しさを増している。日本私立学校振興・共済事業団の調査等によると、入学定員に対する入学者数の割合を示す入学定員充足率が私立大学全体で100%を下回る事例が発生するなど、定員割れを起こす大学の割合が増加している。文部科学省は、経営悪化や教育の質の低下が見られる学校法人に対して私学助成を大幅にカットする方針を示す一方で、定員超過の抑制策も講じている。
経営難に直面した地方の私立大学の中には、経営移譲を行い、地方自治体が関与する公立大学法人へ移行する例もみられる。
入試制度の特徴
私立大学の一般入試は、国公立大学と比較して試験科目数が少ない傾向にある。文系であれば英語・国語・地歴公民などの3教科、理系であれば英語・数学・理科を中心に課されることが多く、マークセンス形式の解答方法を採用する大学が多い。また、国公立大学の一般選抜が受験可能な大学数に制限があるのに対し、私立大学では日程が重ならなければ何校でも併願できる特徴がある。
各国の私立大学
アメリカ合衆国では、歴史的に宗教団体などを基礎として多くの私立大学が設立され、ハーバード大学などのように寄付金収入や資産運用によって強固な財政基盤を築いている機関が存在する。大韓民国においても私立大学が高等教育の大きな割合を占めており、ソウル首都圏の有力私学を中心に階層化が進んでいる。