日本の公務員試験制度の概要と試験区分
📌 主なポイント
- ✓公務員試験は国や地方公共団体が適格な候補者を選抜するために実施する試験である。
- ✓国家公務員の一般職試験は、原則として人事院が試験機関として実施している。
- ✓かつての国家公務員試験におけるI種・II種・III種区分は2011年度を最後に廃止され、2012年度から総合職試験や一般職試験などに再編された。
公務員試験は、国や地方公共団体が、公務員としての任用に適格と認められる候補者を選抜する目的で実施する試験である。大きく国家機関の職員を採用する国家公務員試験と、各地方公共団体の職員を採用する地方公務員試験に大別される。手法は職種によって異なるが、一般的に筆記試験と面接などの人物試験が組み合わせて実施される。
試験制度の仕組み
現在の日本の公務員制度では、官職が法令や例規に基づいて設置され、公平な基準により適格と認定された者が職に充当されることを原則としている。退職などによる欠員が発生した際には、転任や昇任などの人事異動を行い、最終的に欠員が生じる職に対して新規採用を行う。新規採用では、適格な能力を有する者を選抜して合格者を一定期間「採用候補者名簿」に登載し、法令や条例で定めた職員定数の欠員数に応じて採用が行われる。そのため、試験の合格者数と実際の採用者数は必ずしも一致しない。
国の機関の採用試験は人事院が一般職について一括して実施し、各機関が官庁訪問などを通じて内定者を決定する。また、非常勤職員や嘱託職員の採用においては、筆記試験以外の実務経験や特技を重視して判断される事例が多く見られる。
国家公務員試験
国家公務員の採用試験は、一般職国家公務員を採用する試験と、防衛省職員、国会職員、裁判所職員などの特別職国家公務員を採用する試験に分かれる。一般職の試験機関は、国家公務員法および人事院規則に基づき、原則として人事院が担当している。
かつては「I種」「II種」「III種」といった試験区分が用いられていたが、2008年に成立した国家公務員制度改革基本法に基づき、2011年度を最後に廃止された。その後、2012年度からは院卒者・大学卒業程度の総合職試験、大学卒業程度および高校卒業者対象の一般職試験などに再編されている。
地方公務員試験
地方公務員試験の区分は各地方公共団体によって異なるが、一般的な事務や技術的業務に従事する職員を採用する試験として、上級(大学卒程度)、中級(短大卒程度)、初級(高校卒程度)などに区分されているケースが多い。近年では、民間企業等での職務経験者を対象とした経験者採用試験を実施する地方公共団体も増加傾向にある。