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公共交通機関の概要と日本における定義・課題

公共交通機関の概要と日本における定義・課題
不特定多数が利用する公共交通機関の定義、多様な種類、および日本国内における交通空白地帯の現状や生活保護受給者の自動車保有に関する近年の動向を解説します。

📌 主なポイント

  • 公共交通機関とは、不特定多数の人々が利用する鉄道や路線バスなどの移動手段を指す。
  • 日本のバリアフリー新法では、鉄道、軌道、乗合バス、タクシー、船舶、航空など多様な事業者を公共交通事業者等として定義している。
  • 国土交通省の調査(2025年5月発表)によると、全国の自治体で2,057カ所の交通空白地帯が存在する。
  • 生活保護受給者の移動困難な地域における自動車保有・利用制限については、近年の制度改正により買い物利用等への緩和が進められている。

公共交通機関(こうきょうこうつうきかん、英語:public transport)とは、不特定多数の人々が利用する交通手段を指す。陸上交通では鉄道や路線バスなどが該当する。なお、タクシーについては、これを公共交通機関に含むという解釈と含まないという解釈が存在する。

公共交通機関のイメージ
公共交通機関のイメージ

日本における法的な定義

日本の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)では、「公共交通事業者等」として各種の事業者や施設管理者を定めている。

  • 鉄道事業法による鉄道事業者
  • 軌道法による軌道経営者
  • 道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業者及び一般乗用旅客自動車運送事業者(路線バス・タクシー)
  • 自動車ターミナル法によるバスターミナル事業を営む者
  • 海上運送法による一般旅客定期航路事業を営む者
  • 航空法による本邦航空運送事業者
  • 鉄道事業法による鉄道施設、海上運送法による輸送施設、または航空旅客ターミナル施設を設置・管理する者

公共交通機関の種類

技術の進歩や社会情勢の変化に伴い、多様な形態が存在する。

  • 鉄道・軌道:高速鉄道(新幹線)、在来線、地下鉄、路面電車、ライトレール、モノレール、スカイレール、新交通システム、DMV、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)、ガイドウェイバス、トロリーバス、ゴムタイヤトラム、ケーブルカー、カーレーター、水平エレベーター、ロープウェイ・ゴンドラリフト(都市索道)など
  • バス:路線バス、自治体バス、コミュニティバス、高速バス、グリーンスローモビリティ、乗合タクシーなど
  • 船舶:フェリー、離島や対岸への定期路線としての旅客船、渡し船など
  • 航空:国内線、国際線の航空路線
高速鉄道(新幹線)
高速鉄道(新幹線)
在来線(常磐線)
在来線(常磐線)
地下鉄(東京地下鉄)
地下鉄(東京地下鉄)
路面電車(熊本市交通局)
路面電車(熊本市交通局)
モノレール(千葉都市モノレール)
モノレール(千葉都市モノレール)
新交通システム(ゆりかもめ)
新交通システム(ゆりかもめ)
ケーブルカー(高尾登山電鉄)
ケーブルカー(高尾登山電鉄)
ロープウェイ(ワカサリゾート)
ロープウェイ(ワカサリゾート)
カーレーター(須磨浦山上遊園)
カーレーター(須磨浦山上遊園)
DMV(阿佐海岸鉄道)
DMV(阿佐海岸鉄道)
ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)
ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)
路線バス(東京都交通局)
路線バス(東京都交通局)
高速バス(西日本ジェイアールバス)
高速バス(西日本ジェイアールバス)
グリーンスローモビリティ(伊豆箱根鉄道)
グリーンスローモビリティ(伊豆箱根鉄道)
フェリー(商船三井さんふらわあ)」
フェリー(商船三井さんふらわあ)
渡し船(島内間渡船)
渡し船(島内間渡船)
航空路線(全日本空輸)
航空路線(全日本空輸)

交通空白地帯とその解消に向けた動き

鉄道駅やバス停留所から離れており、タクシーも十分に営業していない地域は「交通空白地帯」と呼ばれる。地方では過疎化や路線廃止が相次ぎ、交通弱者の移動手段確保が社会的な課題となっている。国土交通省が2025年5月に発表した地方自治体アンケートによれば、全国717自治体において2,057カ所の交通空白地帯が存在し、その大部分で対策が検討されている。これを受け、同省は2024年に「交通空白」解消本部を設立し、ライドシェアを含めた対策の推進をはかっている。

生活保護受給者と自動車保有の規制緩和

地方における公共交通機関の衰退に伴い、生活保護受給者の移動手段に関する制度見直しも行われてきた。従来、生活保護受給者は原則として自動車の保有や運転が認められていなかったが、通院や通勤などを理由とする例外規定が設けられ、さらに2024年12月には厚生労働省が通知を出し、買い物などの利用にも制限を緩和する動きが見られるようになった。

よくある質問

公共交通機関にタクシーは含まれますか?
タクシーを公共交通機関に含めるという解釈と、含まないとする解釈の双方が存在します。
交通空白地帯とはどのような場所ですか?
鉄道駅やバス停留所から遠く、かつタクシーも営業していない地域を指し、移動手段の確保が課題となっています。
生活保護受給者の自動車保有に関する規制はどのように変わりましたか?
従来は原則として保有が認められていませんでしたが、公共交通の利用が困難な地域等において、通院や通勤に加え、買い物などへの利用制限緩和へ向けた通知が厚労省から出されています。

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鉄道路線バス交通権環境問題バリアフリー福祉

参考文献

  • 国土交通省『地域公共交通の現況』
  • 『月刊・企業実務』2011年4月号「タクシーと公共交通機関」
  • 国土交通省『高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律』
  • 日刊工業新聞『「交通空白地」解消 本部初会合 地域・観光の足確保』2024年7月18日
  • 日本経済新聞『「交通空白」地域、全国に2057カ所』2025年5月30日
  • 国土交通省『「交通空白」解消本部』
  • 朝日新聞『障害ある生活保護受給者の車、買い物も利用可に 厚労省が制限緩和へ』2024年12月25日