社会保障制度

公費負担医療制度の概要と仕組み

公費負担医療制度の概要と仕組み
公費負担医療の定義、各国の制度、および日本の医療制度における公費負担の仕組みについて解説します。

📌 主なポイント

  • ✓公費負担医療は、特定の疾患や対象者に対する医療費を公的資金で補填する制度である。
  • ✓イギリスや北欧諸国では、一般税収を財源とした公費負担医療が広く普及している。
  • ✓日本の公費負担医療は、医療保険制度と組み合わさった複雑な構造を持っている。

公費負担医療とは、医療費の全額または大部分を公的管理された基金が負担する公的扶助制度を指します。この制度は、特定の疾患や対象者に対して医療へのアクセスを保障するために設けられています。

各国の医療制度

北欧諸国やイギリス、イタリアなどでは、政府が管理・供給する公費負担医療制度が確立されています。例えば、イギリスの国民保健サービス(NHS)では、入院や外来診察が原則として無料で提供されます。カナダでは、政府が直接医療機関を運営するのではなく、民間医療機関が提供する医療に対して公費が充てられる仕組みを採用しています。

各国調査「病人に医療を提供することは政府の責任であるか?
各国調査「病人に医療を提供することは政府の責任であるか?」

日本の公費負担医療

日本の医療制度における公費負担医療は、医療保険制度を補完する役割を担っています。全額が公費で賄われるものもあれば、医療保険の自己負担分に対して公費が適用されるものもあり、制度は非常に複雑です。

OECD各国の財源別保健支出
OECD各国の財源別保健支出

主な制度には、感染症法に基づく結核医療や、障害者総合支援法に基づく自立支援医療、生活保護法による医療扶助などがあります。また、乳幼児医療費助成制度のように、各地方自治体が条例に基づき独自に実施しているものも存在します。

自立支援医療の受給者証
障害者自立支援法に基づく自立支援医療の受給者証と自己負担上限額管理表の例

よくある質問

公費負担医療と医療保険の違いは何ですか?
医療保険は加入者が保険料を支払い、医療費の一部を給付する制度ですが、公費負担医療は特定の疾患や対象者に対して、国や自治体が医療費を直接負担する制度です。
日本の公費負担医療にはどのような種類がありますか?
感染症法に基づく結核医療、障害者総合支援法に基づく自立支援医療、生活保護法による医療扶助など、法律に基づいたものと、自治体の条例に基づく医療費助成制度があります。

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参考文献

  • International Social Survey Programme, "ZA4700: International Social Survey Programme 2006 (Role of Government IV)", 2006.
  • 泉眞樹子「医療費における自己負担と医療アクセス - 保険給付と高額療養費、難病対策その他の公費医療」『レファレンス』第60巻第9号、国立国会図書館、2010年。
  • 厚生労働省「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」、2022年。