気象測器
日射計の仕組みと分類

日射量を測定する装置である日射計の仕組み、全天日射計の種類、トレーサビリティ、および国際規格について解説します。
📌 主なポイント
- ✓日射計は太陽放射エネルギーを電気信号に変換して測定する装置である。
- ✓全天日射計には熱電式と光電式の二種類があり、それぞれ応答速度や波長特性に違いがある。
- ✓日射計の国際的な基準として世界放射基準(WRR)が用いられている。
- ✓ISO 9060規格により、日射計の性能は三階級に分類されている。
日射計は、太陽から地表に到達する放射エネルギー(日射量)を測定するための観測機器です。単位面積・単位時間あたりのエネルギー量を電気信号に変換することで、即時的かつ無人での連続観測を可能にしています。

全天日射計の種類と特徴
全天日射計(ピラノメーター)は、主に受光素子の違いにより「熱電式」と「光電式」に大別されます。
熱電式日射計
熱電式は、黒色に塗装された受光部と筐体との間に生じる温度差を、サーモパイル(熱電堆)を用いて電位差に変換する方式です。太陽放射のエネルギーを広範囲の波長で均等に吸収できるため、波長特性に優れています。以前は白黒型の受光面も存在しましたが、現在は反射特性の観点から黒色のみの受光面で構成される黒黒型が主流です。
光電式日射計
光電式は、シリコンフォトダイオードなどの光電素子を用い、光の照射量に応じた発電量から日射量を測定します。熱電式と比較して応答速度が速く、製品価格が比較的安価であるという利点があります。一方で、測定可能な波長帯が太陽放射の一部に限られるため、使用時には特性の確認が必要です。

トレーサビリティと国際規格
日射計による観測値の信頼性は、世界放射基準(WRR)に基づいたトレーサビリティによって維持されています。WRRはスイスのダボスにある世界放射センター(WRC)が管理しており、絶対放射計を用いて国際標準が定められています。
日本国内では、気象庁が保有する絶対放射計が国内標準となっており、定期的な比較観測によって精度が維持されています。また、ISO 9060などの国際規格により、日射計の性能は「二次標準」「一級」「二級」の三階級に分類されています。
よくある質問
熱電式と光電式の日射計、どちらが優れていますか?
一概にどちらが優れているとは言えません。波長特性の均一性を重視する場合は熱電式が適しており、応答速度やコストを重視する場合は光電式が選ばれる傾向にあります。
日射計のトレーサビリティとは何ですか?
測定結果が国際的な基準であるWRR(世界放射基準)に繋がっていることを指します。これにより、異なる場所や時期の観測データに一貫性を持たせることが可能です。
ISO 9060における「二次標準」とはどのような意味ですか?
一般に入手可能な日射計の中で最高水準の性能を持つものを指します。一次標準(国家機関などが保有する最高水準の器械)の校正を受けて標準器として使用できる性能を持つという意味合いです。
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参考文献
- 気象庁. "WMO第Ⅱ地区放射センター". https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/radiation/rrc_rad.html