4つの回転翼を持つ航空機および無人機の技術概要と歴史

📌 主なポイント
- ✓クワッドローターは4つの回転翼を用いて揚力と推進力を生み出す航空機および無人機の総称である。
- ✓2000年代以降のMEMSジャイロスコープや加速度センサーの低価格化が、マルチコプター普及の大きな要因となった。
- ✓対角線上にあるプロペラ同士が逆方向に回転し、推力とトルクを調整して姿勢制御を行う。
クワッドローター(英: quadrotor)またはクワッドコプター(英: quadcopter)とは、4つの回転翼を用いて離陸、ホバリング、および推進を行う航空機、ならびに小型無人機の総称である[1]。マルチコプターの一種であり、回転翼を用いる点ではヘリコプターの分類にも含まれる。
名称と定義
名称は、「4」を意味する接頭辞「quad-」または「quadro-」と、「回転翼」を意味する「rotor」、そしてヘリコプターを組み合わせた造語である。音写にはクワッド、クアッド、クワドなど複数の表現が存在する。英語圏ではquadrotor、quadcopter、quadrocopterなどの用語が用いられる。
歴史と発展
有人クワッドローターの歴史は古く、ヘリコプターの黎明期である20世紀初頭から軍事や実験目的での研究が行われてきた。1907年のBreguet-Richet Gyroplaneや1922年のde Bothezat helicopterをはじめとして、1958年のカーチス・ライト VZ-7、1963年のX-19などが開発された。

一方、無人機(ドローン)の分野においては、1980年代に名古屋大学などで電動式の研究が進められ、当時は蓄電池容量の制限から外部給電式の有線式として開発されていた[1][2]。1989年にはキーエンスが「ジャイロソーサー E-170」を発売している。2000年代以降、スマートフォン向けなどに開発されたMEMSジャイロスコープや加速度センサーが大量生産され安価になったことが、マルチコプター普及の大きな原動力となった。
2010年にはParrot社が「AR.Drone」を発売し、一般市場へ広く浸透する契機となった。その後、DJI社の「Phantom」シリーズなどの登場によりホビー用や空撮用としての地位が確立された。

飛行原理
クワッドローターは、一般的に対角線上にある2対のプロペラがそれぞれ時計回りと反時計回りに回転し、各ローターが発生させる推力と反トルクのバランスによって姿勢を制御する。全てのローターの回転数を増減させることで上昇・降下を行い、特定のローターの回転数を変化させることでピッチ、ロール、ヨーを調整する。

用途とバリエーション
クワッドローターは、4つのモーターによる機体の軽量化や比較的安価な製造が可能である点から、ホビー用や一般的な空撮用モデルに多く採用されている。一方で、産業用途や高い安全性が求められる分野では、1系統のトラブルが墜落に直結しやすいため、6モーターや8モーターを搭載したマルチコプターが選ばれる場合もある[7, 8]。また、高速飛行や操縦性を重視した競技向けのレーサードローンなども展開されている。












よくある質問
クワッドローターとはどのようなものですか?
なぜクワッドローターは広く普及したのですか?
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参考文献
- 丹羽昌平, 杉浦一郎「VTOL 実験機とその制御」『計測と制御』第25巻 8号, 1986年.
- 久保大輔「無人航空機システム(ドローン)の歴史と技術発展」『計測と制御』第56巻第1号, 2017年.