生態学
多雨林の生態と分布

多雨林(雨林)の定義、気候条件、熱帯雨林と温帯雨林の分類、およびその生物多様性について解説します。
📌 主なポイント
- ✓多雨林の成立には年間1300mmから2000mm以上の降水量が必要とされる。
- ✓世界の動植物種の約3分の2が多雨林に集中している。
- ✓多雨林は気温条件により熱帯雨林、温帯雨林、およびその中間の亜熱帯雨林に分類される。
多雨林(たうりん、英: rainforest)または雨林(うりん)は、年間を通じて降水量が非常に多い気候条件の下で成立する森林の総称です。一般的に、多雨林が成立するためには年間平均降水量が1300mmから2000mm以上必要であるとされています。
生態的特徴
多雨林は地球上の生物多様性の中心地であり、世界の動植物種の約3分の2が生息していると言われています。森林の構造は、上層の林冠が太陽光を遮るため、林床部には光が届きにくく、下草の成長は抑制される傾向にあります。一方で、林冠に隙間が生じると光が差し込み、つる植物や低木が急速に繁茂し、いわゆるジャングルと呼ばれる状態になります。また、樹木の幹や枝に他の植物が根を下ろす着生植物が豊富に見られることも大きな特徴です。

分類と分布
多雨林は主に気温条件によって熱帯雨林と温帯雨林に大別されます。また、その中間的な性質を持つ亜熱帯雨林も存在します。
熱帯雨林
南北両回帰線の間に分布し、ケッペンの気候区分における熱帯雨林気候などがこれに該当します。主に常緑広葉樹によって構成されています。

温帯雨林
回帰線より高緯度地域に成立する森林です。温暖湿潤気候や西岸海洋性気候などの地域に見られ、常緑広葉樹(照葉樹林など)のほか、地域によっては針葉樹や落葉広葉樹が優占種となる場合もあります。

雲霧林
熱帯や亜熱帯の高山地帯において、霧による水分供給が極めて多い場所には「雲霧林」が成立します。ここでは蘚苔類(コケ類)が非常に多く繁茂する特異な環境が形成されます。
よくある質問
多雨林とジャングルの違いは何ですか?
多雨林は気候条件に基づく森林の分類ですが、ジャングルは林冠が途切れて光が林床に届き、低木や植物が密集して通行が困難になった状態の森林を指す言葉として用いられます。
雲霧林とはどのような場所ですか?
熱帯や亜熱帯の高山地帯で、霧が発生しやすく水分供給が豊富な森林のことです。コケ類が非常に多く見られるのが特徴です。
温帯雨林にはどのような樹木が生えていますか?
地域によりますが、常緑広葉樹(照葉樹林)のほか、針葉樹や落葉広葉樹などが含まれます。
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参考文献
- ケッペンの気候区分に関する地理学的資料
- 森林生態学の基礎知識