気象観測機器
レーウィンゾンデ:高層気象観測装置の概要と歴史

レーウィンゾンデは、ラジオゾンデとレーウィン技術を組み合わせ、気温、気圧、湿度に加え、上空の風向・風速を観測する装置です。その仕組みと歴史を解説します。
📌 主なポイント
- ✓レーウィンゾンデは、ラジオゾンデの観測項目(気温・気圧・湿度)に風向・風速の観測機能を加えた装置である。
- ✓地上に設置した方向探知機を用いてゾンデの位置を追跡し、風向・風速を算出する。
- ✓現在はGPSゾンデやウインドプロファイラなどの技術へ移行が進んでいる。
レーウィンゾンデ(rawinsonde)は、ラジオゾンデとレーウィン(rawin)の機能を統合した高層気象観測装置です。従来のラジオゾンデが持つ気温、気圧、湿度の観測機能に加え、上空の風向および風速を測定する機能を備えています。

観測の仕組み
レーウィンゾンデは、水素またはヘリウムを充填した気象観測用ゴム気球に吊り下げられ、上空へ放たれます。上昇中、観測機器は気温、気圧、湿度を測定し、そのデータを無線で地上へ送信します。
風向・風速の観測には、地上に設置された自動追尾型の方向探知システムが用いられます。このシステムは、ゾンデから発信される電波の高度角(仰角)と方位角を精密に追跡します。得られた位置情報と高度データに基づき、ゾンデの変位を計算することで、各高度における風向と風速が算出されます。
歴史と現状
レーウィンゾンデによる観測は、高層天気図の作成や数値予報の基礎データとして長年活用されてきました。かつては世界各地の気象台において、協定世界時の0時と12時に定時観測が行われていました。
しかし、20世紀後半以降、地上設備が比較的簡易で済むGPSゾンデの普及に伴い、無線追尾方式を採用するレーウィンゾンデは徐々に置き換えが進みました。日本においても、気象庁は2009年までにGPSゾンデへの移行を完了しています。また、上空の風のみを観測する手法としては、電波のドップラー効果を利用するウインドプロファイラの運用も一般的となっています。
主な製造メーカー
レーウィンゾンデの開発・製造には、以下の企業が携わってきました。
- 明星電気(日本)
- ヴァイサラ(フィンランド)
- インターメット(アメリカ)
- ロッキード・マーチン・シピカン(アメリカ)
よくある質問
レーウィンゾンデとラジオゾンデの違いは何ですか?
ラジオゾンデは気温、気圧、湿度を観測する装置ですが、レーウィンゾンデはそれに加えてレーウィン技術による風向・風速の観測機能が統合された装置です。
なぜレーウィンゾンデは使われなくなったのですか?
地上設備がより簡易で精度の高いGPSゾンデや、ドップラー効果を利用したウインドプロファイラといった新しい観測技術が普及したためです。
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参考文献
- Collins Dictionary. "Rawinsonde".
- 大辞泉. "レーウィンゾンデ".
- Merriam-Webster. "Rawinsonde".