物理学
物理学における屈折率の定義と光学特性

物理学や光学における屈折率の定義、光速との関係、分散現象、複素屈折率について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓屈折率は真空中の光速を物質中の位相速度で割った値である。
- ✓物質の屈折率は光の波長によって変化し、この現象は分散と呼ばれる。
- ✓光を吸収する物質では、消衰係数を含む複素屈折率を用いて表される。
屈折率(くっせつりつ、英語: refractive index)とは、真空中の光速を物質中の光速(位相速度)で割った値であり、物質中での光の進み方を記述する上での指標である。真空を1とした物質固有の値を絶対屈折率、2つの物質の絶対屈折率の比を相対屈折率と呼ぶ。
定義と数式
国際単位系(SI)において、屈折率 $n$ は真空中の光速度 $c$ を媒質中の光速度 $v$ で割った値で表される。

光が異なる物質の境界を通過する際、進行方向が変化する現象(屈折)が生じる。これはスネルの法則によって屈折率と結びつけられている。
波長分散とコーシーの方程式
同じ物質であっても、屈折率は光の波長によって異なる。この性質を分散と呼ぶ。光学材料の屈折率は、特に断りがない場合、ナトリウムのD線(波長589.3 nm)の光について示されることが多い。

可視光領域においては、波長が短いほど屈折率が大きくなる傾向があり、これを正常分散と呼ぶ。
複素屈折率
光を吸収する物質を扱う場合、吸光度を反映させるために実数部に虚数部を加えた複素屈折率が用いられる。


よくある質問
屈折率とは何ですか?
真空中の光速を物質中の光速で割った値であり、物質中での光の進み方を示す物理量です。
分散とはどのような現象ですか?
光の波長によって屈折率が異なるため、波長ごとに進路の曲がり方が変わる現象を指します。
関連記事
屈折スネルの法則分散 (光学)誘電率
参考文献
文部省、日本分光学会編『学術用語集 分光学編(増訂版)』培風館、1999年。