冷蔵庫の構造と冷却技術の歴史

📌 主なポイント
- ✓冷蔵庫は飲食物や物品を低温で保管するための装置や部屋である。
- ✓冷却方式には気化圧縮型、気化吸収型、ペルチェ効果型など複数の方式が存在する。
- ✓日本の家庭用電気冷蔵庫は、戦後の「三種の神器」の一つに数えられた。
冷蔵庫(れいぞうこ、英語: refrigerator)とは、飲食物やその他の物品を低温で保管することを目的とした箱状の装置、あるいは部屋である。英語圏の家庭の日常語としては「fridge(フリッジ)」と呼ばれることが一般的である。
概説
名称にある「庫」という字が示すとおり、もともとは建物状や部屋状のものであった。古代から一部の地域では、冬季に湖に張った自然の氷や積雪を地下洞や断熱材を施した部屋に蓄え、夏季に飲食物を冷却するために利用していた。20世紀前半の欧米の一部の家庭では、製氷業者から購入した氷の塊を断熱性の高い箱に入れて食品を冷やす氷式冷蔵庫が使われていたが、20世紀後半になると電気冷蔵庫が一般家庭へ広く普及した。
一般的に、食料品や飲料品を凍らせずに短期保存する目的では、内部温度を0℃以上、4〜10℃程度に保って使用される。一方、冷凍食品の保存や製氷などを目的に-18℃程度を保つものは冷凍庫と呼ばれる。
種類
業者用冷蔵庫
農業分野では、扱う穀物、野菜、果物の種類に応じて建物や部屋状の冷蔵庫が用いられる。食品加工業者や乳製品卸売業者、スーパーマーケットのバックヤードなどでは、ウォークイン方式の大型冷蔵庫や冷凍庫が一般的である。また、飲食店の厨房では食材の乾燥を防ぐために恒温高湿庫が用いられることもある。
家庭用冷蔵庫
家庭用では、冷蔵室と冷凍室を合体させた「冷凍冷蔵庫」が主流である。箱状の縦型が一般的であり、壁の断熱材が熱の移動を遮断し、冷凍機が庫内の熱を外部に排出する仕組みとなっている。なお、日本の家庭用電気冷蔵庫は、戦後における「三種の神器」の一つとして普及した歴史を持つ。
冷却の原理
冷蔵庫の冷却には主に気化熱や熱電効果を利用したいくつかの方式が存在する。
気化圧縮型
圧縮を利用し、閉じたパイプの中を冷媒が循環する方式である。家庭用では電気作動のコンプレッサを使用するのが一般的である。「コンデンサ(凝縮器)」「エクスパンジョンバルブ(膨張弁)」「エバポレータ(蒸発器)」「コンプレッサ(圧縮器)」の4つの主要な要素で構成されており、冷媒の相変化を利用して庫内から熱を奪う。
気化吸収型
冷媒の循環のために冷媒とは別の液体(吸収液)を使用する方式である。熱源を利用して液体を循環させるため、ガスバーナーや電気ヒーターが用いられる。コンプレッサを必要としないため静粛性に優れ、ホテルや医療現場などで活用されている。
ペルチェ効果型
冷媒を用いず、ペルチェ効果を利用して温度を下げる方式である。可動部がないため作動音がほとんどないが、冷却効率が低いため小型の車載用冷蔵庫などに限定して利用されている。
冷却方式(主に一般家庭用)
直冷式(自然対流式)
庫内に冷却管を張り巡らせ、管からの冷気で直接冷却する方式である。小型の冷蔵庫に用いられることが多く、ファンを使用しないため静粛性が高く消費電力が少ないという利点がある一方で、定期的な霜取り作業が必要となる。