環境技術

廃棄物固形燃料(RDF)の概要と日本における展開

廃棄物固形燃料(RDF)の概要と日本における展開
廃棄物固形燃料(RDF)の定義、製造プロセス、日本における導入の歴史、および運用上の課題や事例について解説します。

📌 主なポイント

  • RDFは家庭ゴミを破砕・乾燥・圧縮して製造される固形燃料である。
  • 原料の不均一性や品質管理の難しさから、日本国内では多くの施設で運用上の課題が生じた。
  • RPFは産業廃棄物を原料とするため、RDFよりも発熱量の安定性や品質管理において優位性がある。

廃棄物固形燃料(Refuse-derived fuel、略称:RDF)とは、一般家庭から排出される生ゴミ、紙ゴミ、プラスチックなどの可燃性廃棄物を原料として製造される固形燃料です。廃棄物の減容化とエネルギー利用を目的として開発されました。

製造方法と性質

日本におけるRDFの製造は、収集された可燃ゴミを破砕・乾燥させた後、接着剤を加えて圧縮し、直径1cmから5cm程度の円筒状ペレットに成形する工程が一般的です。このプロセスにより、元のゴミと比較して体積を約5分の1程度にまで削減可能です。

しかし、原料が家庭ゴミであるため成分が不均一であり、含水率も高い傾向があります。そのため、石炭などの化石燃料と比較して単位重量あたりの発熱量が低く、燃焼温度を一定に保つためには重油などの補助燃料が必要となるケースが少なくありません。また、燃焼時に腐食性の高い塩素ガスが発生する可能性があるため、高塩素燃料とも呼ばれます。

RDFペレットのイメージ
円筒状に圧縮された廃棄物固形燃料(RDF)

日本における導入の歴史と課題

1990年代後半、埋立地の逼迫に悩む地方自治体において、ゴミ減量の切り札としてRDF製造プラントの導入が推進されました。国からの補助金もあり、2006年度までに88市町村で50の施設が建設されました。

しかし、実際の運用では多くの課題が露呈しました。特に、製造されたRDFの品質が安定せず、利用先が確保できない事例が相次ぎました。会計検査院の調査によると、2010年時点で導入施設の半数以上が製造したRDFを産業廃棄物として処分せざるを得ない状況にあり、自治体の財政を圧迫する結果となりました。

主な失敗事例

  • 御殿場・小山RDFセンター:稼働率が低迷し、製造されるRDFの品質も予測を下回ったため、2015年に施設運転を停止。
  • 多度町RDF火力発電所:2003年に貯蔵サイロで火災・爆発事故が発生。嫌気発酵による可燃性ガスの発生や、吸着熱による温度上昇が原因と推測されています。
  • 白老町のRDF製造プラント:高温高圧処理による塩素低減を試みましたが、基準を満たせず2019年に事業廃止。

RPFとの違い

RDFと混同されやすい燃料にRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)があります。RDFが一般家庭の不均質なゴミを原料とするのに対し、RPFは産業廃棄物から古紙や廃プラスチックなど、比較的均質な素材を選別して製造されます。RPFは発熱量のコントロールが容易であり、塩素含有量も抑えやすいため、サーマルリサイクルの一手法として利用が拡大しています。

よくある質問

RDFとRPFの違いは何ですか?
RDFは主に一般家庭の不均質なゴミを原料としますが、RPFは産業廃棄物から選別された比較的均質な古紙や廃プラスチックを原料とする点が異なります。
なぜRDFの貯蔵中に事故が起きることがあるのですか?
原料の水分や微生物の繁殖による嫌気発酵、あるいは乾燥した物質への水分吸着に伴う吸着熱が原因で、内部温度が上昇し発火に至るケースが報告されています。
RDFは現在も利用されていますか?
過去の失敗事例を踏まえ、新規建設は抑制されていますが、技術的な改善や用途の選定を経て、特定の産業プロセス等で活用されるケースは存在します。

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参考文献

  • 山本勝彦他「ごみ固形燃料(RDF)の炭化処理による利用用途開発に関する実験」『廃棄物学会論文誌』2000年
  • 安原昭夫「RDFの発熱事故例と発熱メカニズムの化学的考察」『安全工学』2006年
  • 井熊均・岩崎友彦編『図解 よくわかる リサイクルエネルギー』日刊工業新聞社、2001年