技術・熱力学

冷却技術の基礎と特殊冷却機構の概要

冷却技術の基礎と特殊冷却機構の概要
温度を氷点下まで下げるための熱源設備である冷凍機の基本原理と、スターリング冷凍機、GM冷凍機、パルス管冷凍機などの特殊な冷却機構について解説します。

📌 主なポイント

  • ✓冷凍機はヒートポンプの原理を利用して熱を移動させ、温度を氷点下まで下げる熱源設備である。
  • ✓スターリング冷凍機は蒸発熱を利用しないため、他の方式よりも極低温に冷やすことが可能である。
  • ✓GM冷凍機(ギフォード・マクマホン冷凍機)はMRIやNMRの超伝導コイル冷却などに応用されている。
  • ✓パルス管冷凍機は低温部に可動部品を持たないため、摩擦熱による性能低下を軽減できる。

冷凍機とは、温度を氷点下まで下げるためにヒートポンプの原理を用いて熱を移動させる熱源設備である。一般的な蒸気圧縮冷凍機をはじめ、様々な方式が存在する。

冷凍機の原理を示すヒートポンプの模式図
冷凍機の原理「 ヒートポンプ 」 赤が高温側、青 a が低温側を表す。 1:凝縮器、2:膨張弁、3:蒸発器、4:圧縮機

スターリング冷凍機

スターリングサイクルを利用した冷凍機である。外部からエネルギー源を用いて駆動することで、低温側を冷却器として利用できる。

冷却システムの関連図
冷却システムの関連図

蒸発熱を利用しないため冷媒の沸点に依存せず、超伝導物質の冷却などの極低温用途で用いられる。作動ガスにはヘリウムが用いられることが多い。

ギフォード・マクマホン冷凍機

一般的にGM冷凍機と呼ばれる方式であり、ヘリウムなどの冷媒ガスから断熱膨張により冷熱を得る。ディスプレーサに連動したロータリーバルブで管路を切り替えることで冷却効率を高めており、MRIやNMRの超伝導コイル冷却などに応用されている。

パルス管冷凍機

低温部に可動部品を持たないため、摩擦熱による性能低下を抑えられる特徴を持つ。半導体製造装置の冷却器や量子コンピュータに使用される希釈冷凍機の予冷機などに利用されている。

スターリング型単オリフィスPTRの模式図
スターリング型単オリフィスPTRの模式図。 左から右へ:圧縮機、熱交換器(X 1)、再生器、熱交換器(X 2)、チューブ、熱交換器(X 3)、流動抵抗、およびバッファボリューム。

よくある質問

冷凍機とはどのような設備ですか?
温度を氷点下まで下げるため、ヒートポンプの原理で熱を移動させる熱源設備です。
スターリング冷凍機の特徴は何ですか?
蒸発熱を利用しないため冷媒の沸点にあまり依存せず、超伝導物質などの極低温冷却に適しています。
パルス管冷凍機はどのような用途に使われますか?
半導体製造装置の冷却器や、量子コンピュータに使用される希釈冷凍機の予冷機などに利用されています。

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参考文献

小泉達雄 (2011-5-10). “小型冷凍機の進展と今後の展望”. 応用物理 80 (5): 407-410. doi:10.11470/oubutsu.80.5_407. 理化学研究所 (2023年9月4日). “量子コンピュータ開発に挑む若手研究者たち”.