工学・技術
リモートセンシングの概要と技術的特性

リモートセンシングの定義、歴史、観測手法、および現代における活用分野について解説します。遠隔地からセンサーを用いて情報を取得する技術の基礎知識。
📌 主なポイント
- ✓リモートセンシングは、対象に直接触れずに遠隔から情報を取得する技術である。
- ✓観測にはセンサーと、それを運搬するプラットフォーム(衛星や航空機など)が不可欠である。
- ✓能動型(アクティブ)と受動型(パッシブ)の大きく二つに分類される。
- ✓19世紀の気球による写真撮影が歴史的起源の一つとされる。
リモートセンシング(英: remote sensing)とは、対象物に直接触れることなく、遠隔地からセンサーを用いてその物理的特性や状態を感知・測定する技術および手法の総称である。日本語では「遠隔探査」とも呼ばれる。
技術の構成要素
リモートセンシングを実現するためには、対象からの信号を捉える「観測装置(センサー)」と、その装置を観測地点まで運搬する「プラットフォーム」が必要となる。センサーには写真機、放射計、レーザープロファイラー、レーダーなどが用いられ、プラットフォームには人工衛星、航空機、ヘリコプター、ドローン、気球などが利用される。

歴史的背景
リモートセンシングの先駆けは、1858年に気球学者のナダールがパリ上空から撮影した写真に遡る。初期には凧や伝書鳩なども試験的に用いられたが、科学的調査や地図作成の手段として本格的に発展したのは、第一次世界大戦以降の軍事的な空中写真撮影技術の進歩が契機となっている。20世紀後半に入ると、人工衛星の打ち上げと画像処理技術の向上により、地球規模での広域観測が可能となった。
分類と手法
リモートセンシングは、観測対象に対して自らエネルギーを照射して反射を捉える「能動型(アクティブ)」と、太陽光や対象物から放射される自然エネルギーを捉える「受動型(パッシブ)」に大別される。また、利用する波長帯や物理量によっても分類され、電磁波を用いた観測のほか、重力加速度の精密測定による地下構造の探査なども含まれる。
主な活用分野
リモートセンシングによって得られたデータは、多岐にわたる分野で活用されている。
- 環境・災害監視:火山活動の監視、土砂災害の把握、植生分布の調査、河川水位の計測。
- 資源探査:鉱物資源の分布調査。
- 気象・海洋:気象情報の収集、海面温度の測定、赤潮の監視。
- 産業・インフラ:穀物生産量の予測、インフラ施設管理、自動運転技術における周辺環境認識。
よくある質問
リモートセンシングの能動型と受動型の違いは何ですか?
能動型は自ら電磁波などを照射してその反射を観測する手法で、受動型は太陽光などの自然エネルギーを観測する手法です。
どのようなプラットフォームが使われますか?
人工衛星、航空機、ヘリコプター、ドローン、気球などが、センサーを搭載するプラットフォームとして利用されます。
リモートセンシングはどのような分野で活用されていますか?
気象観測、災害監視、鉱物資源探査、農業における収穫予測、自動運転技術など、幅広い分野で活用されています。
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参考文献
- 新美智秀『センシング工学』コロナ社、1992年。
- 「遠隔探査」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ブリタニカ・ジャパン。
- 「最新ドローン活用術|ドローン空撮画像を活用したリモートセンシングの最前線」アグリポート、2020年。
- Ran, Lingyan et al. "A Hyperspectral Image Classification Framework with Spatial Pixel Pair Features", Sensors, 2017.