単位
厘(単位)の歴史と用法

日本の伝統的な計量単位である「厘」について、尺貫法における長さや質量の分量単位としての歴史や、通貨単位としての役割を解説します。
📌 主なポイント
- ✓「厘」は、1/100(100分の1)を表す分量単位である。
- ✓長さとしては1寸の1/100(約0.303ミリメートル)、質量としては1匁の1/100(37.5ミリグラム)に相当する。
- ✓明治初頭の新貨条例により通貨単位としても導入されたが、1953年の法令により現金としての役割を終え、現在は1円未満の計算単位となっている。
厘(りん)は、1/100(100分の1)の数を表す日本の伝統的な計量単位(分量単位)である。元の用字は「釐」であり、「厘」はその俗字として用いられてきた。
歴史と由来
中国の古算書である『孫子算経』などの文献によれば、本来は長さの単位として用いられていたものであり、古くは「氂」または「釐」と表記されていた。読みは本来「リ」であるが、日本ではいつからか「リン」と読まれるようになった。日本においては中世以前は「分→毛→厘」の順序であったが、近世の江戸時代以降は「分→厘→毛」の順序に変化したとされる。
伝統的な用法と各単位
尺貫法や無次元量において、「厘」は上位の単位に対する1/100を表す。
- 長さの単位:1厘は1/100寸であり、1/3300メートル(約0.303ミリメートル)に相当する。また、鯨尺の1厘は25/66000メートル(約0.379ミリメートル)に相当する。
- 質量の単位:1厘は1/100銭(匁)であり、37.5ミリグラムに相当する。江戸時代には、厘などの微小な重量を精密に量る竿秤として「釐等具(れいてんぐ)」や「厘秤」と呼ばれる道具が用いられた。
- 割合の単位:割合を表す場合、「割」の1/10が「分」、1/100が「厘」となる。例えば「3割2分8厘」であれば3.28割を意味し、全体(10割)から見れば0.001(0.1パーセント)に相当する。

通貨単位としての歴史
明治初頭の新貨条例制定に伴い、円、銭とともに日本の通貨単位として「厘」が制定された。1円の1/1000、1銭の1/10に相当する。明治時代には、1873年(明治6年)に1厘銅貨が発行されたほか、大正時代には5厘青銅貨が発行された。
第二次世界大戦後、1953年(昭和28年)に施行された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により、1円未満の小額通貨はすべて通用停止となり、現金単位としての役割を終えた。現在は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に基づき、1円未満の金額の計算単位としてのみ規定されている。
よくある質問
「厘」はどのような単位ですか?
1/100(100分の1)を表す分量単位です。尺貫法における長さや質量のほか、割合を表す際にも使用されてきました。
「厘」の通貨としての歴史はどうなっていますか?
明治初頭に円や銭とともに通貨単位として制定され、1厘銅貨などが発行されましたが、1953年の法律により現金としては通用停止となり、現在は1円未満の計算単位としてのみ残っています。
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参考文献
小泉袈裟勝『歴史の中の単位』総合科学出版、1979年。三上隆三『江戸の貨幣物語』東洋経済新報社、1996年。久光重平『日本貨幣物語』毎日新聞社、1976年。