法学
立法作用の仕組みと法規範の概念
法規範を定立させる国家作用である立法の意味や、法規の狭義説・広義説、主要国における立法過程の基本構造について解説します。
📌 主なポイント
- ✓立法は行政および司法と並ぶ国家作用の一つである。
- ✓形式的意味では議会の議決による法律の制定を指し、実質的意味では特定の法規範を定立させる国家作用を指す。
- ✓日本国憲法下では、国会が唯一の立法機関とされている。
立法とは、行政および司法と並ぶ国家作用の一つである。形式的意味においては議会の議決を経て法律を制定することを指すが、実質的意味においては特定の法規範を定立させる国家作用全般を意味する。この国家作用を行う権能を立法権と呼ぶ。
法規の意義
法規の概念については、歴史的背景や民主主義の発展に伴い、主に「狭義説」と「広義説」の二つの見解が存在してきた。
狭義説
狭義説は、19世紀の議会勢力が相対的に弱かった立憲君主制の下で採用された見解である。一般的・抽象的な法規範のうち、国民の権利や利益に深く関わる「自由と財産」に関する事項だけを君主の権限から切り離し、議会の留保事項とする考え方である。大日本帝国憲法下における通説的な見解でもあった。この立場では、国家組織の細部を定める一般的な法規範などは必ずしも立法の範疇に含まれない。
広義説
広義説は、議会制民主主義の発展に伴い、狭義説では議会の守備範囲が限定的すぎるという問題意識から支持されるに至った見解である。およそ一般的・抽象的な法規範や命題をすべて含むものとする。「一般的・抽象的」とは、不特定多数の人や場合、事件に対して適用される法規範であることを意味し、日本国憲法の下で通説化している。
立法権の帰属と近代の原則
近代以降の法治国家においては、実質的意味における立法には議会の関与が不可欠とされるのが一般的である。日本においても、日本国憲法第41条において、国会は「唯一の立法機関である」と規定されている。
主要国の立法過程
各国の憲法や議会制度に基づき、法案の提出から審議、成立に至る立法過程にはそれぞれ独自の仕組みが存在する。イギリス、ドイツ、アメリカなどの議会においては、下院や上院の先議権、委員会による審査、首長や元首による裁可や署名といった厳格な手続きを経て法律が制定される。
よくある質問
立法とは何ですか?
行政および司法と並ぶ国家作用の一つであり、形式的には議会の議決を経て法律を制定すること、実質的には特定の法規範を定立させる国家作用を指します。
法規における狭義説と広義説の違いは何ですか?
狭義説は自由と財産に関する事項のみを議会の留保事項とする考え方であり、広義説はおよそ一般的・抽象的な法規範のすべてを対象とする考え方です。
日本における立法機関はどこですか?
日本国憲法第41条により、国会が唯一の立法機関と定められています。
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参考文献
主要国の議会制度に関する資料および法学概論