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ロケット推進剤の種類と特性

ロケット推進剤(プロペラント)は、ロケットエンジンが推力を得るために噴射する物質の総称です。推進剤の選択は、ロケットの性能、コスト、安全性、および運用目的に直結する重要な設計要素です。
化学ロケットの推進剤
化学ロケットは、燃料の燃焼によって発生する高温・高圧のガスを噴射することで推力を得ます。推進剤は大きく分けて固体、液体、およびその両方の特性を組み合わせたハイブリッドの3種類に分類されます。

固体燃料ロケット
固体燃料ロケットは、燃料と酸化剤をあらかじめ混錬して固形化した推進剤を使用します。構造が単純で即応性が高い一方、一度点火すると燃焼の停止や推力調整が困難です。初期には黒色火薬などが用いられましたが、現代では合成ゴムを基剤としたコンポジット推進薬が主流です。
液体燃料ロケット
液体燃料ロケットは、燃料と酸化剤を別々のタンクに貯蔵し、燃焼室で混合・燃焼させます。ポンプ等を用いた流量制御が可能なため、推力の調整や再点火が可能です。液体酸素と液体水素、あるいはケロシンなどの組み合わせが一般的です。

ハイブリッドロケット
ハイブリッドロケットは、固体燃料と液体(または気体)酸化剤を組み合わせたエンジンです。液体燃料ロケットのような推力制御が可能でありながら、燃料系統が簡素化できる利点があります。民間宇宙開発などで活用が進んでいます。
電気推進およびその他の推進剤
電気推進は、電気エネルギーを用いて推進剤を加速させる方式です。化学反応を伴わないため、キセノンなどの不活性ガスが主に用いられます。また、核熱ロケットのように原子力エネルギーを利用して推進剤を加熱・噴射する方式も研究されています。
参考文献
- 山崎殺六「液体ロケット燃料」『工業化学雑誌 第 63 巻、第 11 号』1960年、1859頁。
- 疋田強「固体ロケット燃料とその燃焼」『工業化学雑誌 第 63 巻、第 11 号』1960年、1864頁。
- G.P.Sutton (1986年). Rocket Propulsion Elements. John Willey & Sons. ISBN 9780471326427.
- By K.K. Kuo, ed (1984年). Fundamentals of Solid-Propellant Combustion. AIAA. ISBN 9780915928842.
- 岩問彬「高分子系ロケット推進剤の燃焼」『高分子、第 22 巻、第 253 号』1973年、206頁。
- 高圧流体・ロケット応用技術
- Boris Yevseyevich Chertok (2006-06-01). Rockets and People: Creating a rocket industry. Government Printing Office. pp. 636-640. ASIN B019NDFEHI. ISBN 9780160766725.
- Review of US Historical Rocket Propellants:Accidents, Mishaps & Fatalities
- 英語では nuclear thermal で「核熱」の順だが、熱核兵器(thermonuclear weapon)という語があるためか、日本語では「熱核ロケット」という表現も良く見る(なお、thermonuclear rocket というものもないでもない)。