RoHS指令の概要と電気・電子機器における有害物質規制

📌 主なポイント
- ✓RoHS指令は電気・電子機器における特定有害物質の使用を制限する欧州連合の指令である。
- ✓2003年2月13日に公布され、2006年7月1日から施行された。
- ✓2011年の改正(RoHS 2)により規制範囲が拡大し、対象物質は最終的に10物質となった。
- ✓カドミウムの最大許容濃度は0.01wt%、その他の物質は0.1wt%と規定されている。
特定有害物質使用制限指令(とくていゆうがいぶっしつしようせいげんしれい、英: Restriction of Hazardous Substances Directive)とは、欧州連合(EU)が制定した、電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関するEU指令である。一般には頭文字をとってRoHS指令(ローズしれい)と呼ばれる。
本指令は、廃電気・電子機器(WEEE)のリサイクルを容易にし、最終的な埋立や焼却処分時にヒトや環境へ与える悪影響を防止することを目的として制定された。
歴史と法的背景
RoHS指令は、WEEE指令(廃電気・電子機器に関する指令)と表裏一体の関係にある。当初の指令(2002/95/EC)は2003年2月13日にEU官報に公布され、2006年7月1日から施行された。
その後、2011年7月1日に大幅な改正が行われた改正RoHS指令(2011/65/EU、通称RoHS 2)が公布され、同年7月21日に発効し、旧指令は2013年3月1日に失効した。さらに2015年6月にはフタル酸エステル類が追加され、規制対象物質は合計10物質となった。
改正RoHS指令の内容
改正RoHS指令では、規制物質の追加、適用範囲の拡大、およびCEマーキングの導入が行われた。
規制対象物質
最大許容濃度(閾値)はカドミウムが重量比0.01wt%(100ppm)、その他の物質が0.1wt%(1000ppm)と定められている。分母は「均質物質」(全体的に一様な組成で機械的に分離できる最小単位)とされる。
- 鉛
- 水銀
- 六価クロム
- カドミウム
- ポリ臭化ビフェニル(PBB)
- ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
- フタル酸ジ-2-エチルへキシル(DEHP)
- フタル酸ブチルベンジル(BBP)
- フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)
- フタル酸ジイソブチル(DIBP)
対象製品
大型家庭用電気製品、小型家庭用電気製品、情報技術・電気通信機器、民生用機器、照明機器、電気・電子工具、玩具・レジャー用品・スポーツ用品、医療機器、監視および制御機器、自動販売機、その他の電気・電子機器の11分類が対象とされている。
評価と影響
RoHS指令は環境汚染物質の拡散に対する有効な対応策として世界中に波及し、中国など他国でも同様の規制が導入される契機となった。一方で、代替材料に関する技術的課題や、特定産業への影響、規制の有効性に関する議論も存在している。
よくある質問
RoHS指令の目的は何ですか?
RoHS指令の規制対象となる物質は何種類ですか?
最大許容濃度の閾値はどのようになっていますか?
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参考文献
- EURLex – 02011L0065-20140129 – EN – EUR-Lex
- 経済産業省産業構造審議会『電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令(RoHS指令)の概要』
- 植月献二「EU 電気電子機器の有害物質使用規制拡大(新RoHS指令制定)」『外国の立法』, 2011年.