地理

六角川:佐賀県を流れる一級河川の概要と治水

六角川:佐賀県を流れる一級河川の概要と治水
佐賀県中部を流れる一級河川、六角川の地理的特徴、歴史的な治水対策、内水氾濫の課題、および水利用について解説します。

📌 主なポイント

  • 六角川は佐賀県中部を流れる一級河川で、全長は約47kmです。
  • 河口付近は有明海に面しており、潮汐の影響を強く受ける感潮河川です。
  • 流域の大部分が低平地であるため、内水停滞による浸水被害が課題となっています。

六角川(ろっかくがわ)は、佐賀県中部を流れる一級河川であり、六角川水系の本流です。武雄市西部の山地に源を発し、概ね東へ流れて有明海に注ぎます。流域は標高が極めて低い低平地が広がり、河川勾配が緩やかなため、古くから洪水や内水停滞といった水害と向き合ってきた歴史があります。

地理的特徴

六角川の中下流域は、標高10m以下の低平地が広がる蛇行地帯です。河口部は日本最大級の干満差を誇る有明海の最深部に位置しており、河口から約29km上流の大日堰付近まで海水が遡上する感潮河川としての性格を強く持っています。このため、洪水の危険性や排水能力が潮汐の影響を大きく受けるという特徴があります。

治水と水害対策

六角川流域は、古くから浸水の常襲地帯として知られています。特に中下流域は超低勾配であるため、自然排水が困難であり、大雨時には内水停滞による浸水被害が頻発してきました。これに対し、堤防の整備や河道掘削、排水機場の設置といった治水事業が長年進められています。

1990年(平成2年)の洪水被害や、2019年(令和元年)の「佐賀豪雨」、2021年(令和3年)の豪雨など、近年も大規模な浸水被害が発生しており、国や県は「六角川水系緊急治水対策プロジェクト」などを通じて、河道掘削や遊水地の整備、排水能力の強化を継続的に行っています。

水利用と歴史

六角川の感潮区間は塩分濃度が高いため、直接的な農業用水としての利用には制約があります。そのため、流域では古くからため池やクリーク(堀)を活用した水利用が行われてきました。江戸時代には、佐賀藩の成富兵庫茂安による大日堰の建設や三法潟の開発など、治水と利水を両立させるための工夫がなされました。現代では、嘉瀬川ダムを水源とする佐賀西部広域水道が供給され、安定した水利用が確保されています。

よくある質問

六角川の名前の由来は何ですか?
江戸時代に街道筋として栄えた六角地区(現在の白石町六角神社一帯)の地名に由来すると言われています。
なぜ六角川では内水氾濫が起きやすいのですか?
流域の標高が低く河川勾配が極めて緩やかなため、増水時に自然排水が困難であり、潮位が高い時間帯には排水機場による強制排水も制限されるためです。
六角川河口堰の目的は何ですか?
現在は高潮防止を唯一の目的として運用されています。

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参考文献

  • 国土交通省九州地方整備局「六角川水系河川整備計画」
  • 佐賀県「六角川水系緊急治水対策プロジェクト資料」
  • 日本大百科全書(ニッポニカ)「六角川」