企業史

ロールス・ロイスの歴史と企業変遷

ロールス・ロイスの歴史と企業変遷
ロールス・ロイスの起源、自動車部門と航空エンジン部門の分離、そして現代における二つの独立した企業の成り立ちを解説します。

📌 主なポイント

  • 1906年にチャールズ・ロールズとフレデリック・ヘンリー・ロイスによって設立された。
  • 1973年の経営再編により、自動車部門と航空エンジン部門が独立した。
  • 現在の自動車製造はBMW傘下のロールス・ロイス・モーター・カーズが担っている。
  • 航空エンジンやエネルギー関連事業はロールス・ロイス・ホールディングスが継承している。

ロールス・ロイス(Rolls-Royce)は、1906年にイギリスで設立された高級自動車および航空用エンジンメーカーを起源とするブランドです。現在は、自動車製造部門と航空・エネルギー関連部門がそれぞれ独立した企業として運営されています。

創業と初期の発展

1904年、自動車の輸入販売を手がけていたチャールズ・スチュアート・ロールズと、電気技術者として成功を収めていたフレデリック・ヘンリー・ロイスが出会い、共同で高性能車の開発を開始しました。1906年にはロールス・ロイス・リミテッドが設立され、マンチェスターからダービーへと生産拠点を移しながら、その品質と信頼性で名声を確立しました。

特に1906年に発表された「40/50HP」型は、その静粛性と耐久性から「シルヴァーゴースト」の愛称で親しまれ、「世界最高の自動車」と称されるようになりました。この成功により、ロールス・ロイスは王侯貴族や富豪に愛用される高級車の代名詞となりました。

航空エンジン部門の成長

第一次世界大戦の勃発を機に、ロールス・ロイスは航空用エンジンの開発に注力しました。ダイムラーの技術を参考に開発された「ホーク」エンジンをはじめ、信頼性の高い液冷エンジンを次々と送り出し、戦後は自動車と並ぶ同社の主要事業へと成長しました。

経営の転換と分離

1960年代、航空機用エンジン「RB211」の開発に伴う巨額の損失により経営が悪化し、1971年に経営破綻。イギリス政府による国有化を経て、1973年に自動車部門と航空エンジン部門が分離されました。

自動車部門は「ロールス・ロイス・モーターズ」として民営化され、その後1998年の買収劇を経て、2003年からはBMW傘下の「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」として、独自に開発された高級車の製造販売を行っています。一方、航空エンジンやエネルギー関連機械を扱う部門は「ロールス・ロイス・ホールディングス」として存続し、現在も世界的な工業メーカーとして活動しています。

よくある質問

ロールス・ロイスの自動車と航空エンジンは同じ会社ですか?
いいえ、現在は別の会社です。1973年の分離以降、自動車部門はBMW傘下のロールス・ロイス・モーター・カーズが、航空エンジン部門はロールス・ロイス・ホールディングスがそれぞれ運営しています。
ロールス・ロイスの自動車は現在どこの傘下にありますか?
2003年より、ドイツの自動車メーカーであるBMWの傘下にあります。
「シルヴァーゴースト」とは何ですか?
1906年に発表されたロールス・ロイスの代表的なモデル「40/50HP」の通称です。その卓越した静粛性と耐久性から、世界最高の自動車として名声を博しました。

関連記事

BMWベントレー航空エンジンイギリスの自動車産業

参考文献

  • ワールド・カー・ガイド 1997, pp. 21–50, 創業から戦前.
  • 小林彰太郎 1971, pp. 20–46, 40/50HP シルヴァーゴースト.
  • 自動車情報誌「ベストカー」 (2018年10月22日). “2回しか使われず廃車に 4000万円の御料車 皇室用ロールスの真相”.