鉱石採掘における露天掘りの手法と歴史的背景

📌 主なポイント
- ✓露天掘りは坑道を掘らずに地表から渦巻状に地下へ向かって掘り進める採掘手法である。
- ✓主要な採掘法として、階段式やグローリーホール式が存在する。
- ✓第二次世界大戦後の重機発達により、大規模な開発が可能となった。
露天掘り(ろてんぼり)とは、地下に坑道を張り巡らせるのではなく、地表から渦を巻くように地下へ向かって掘り進める鉱石の採掘手法である。歴史的には比較的初期から行われてきた手法であり、地表付近にある宝石類や有用鉱物の採取に用いられてきた。第二次世界大戦後には大型重機の出現によって大規模な開発が可能となり、世界各地の鉄鉱石や銅鉱石などの採掘において重要な役割を果たしている。また、火山の噴気孔における昇華硫黄の採取や、海浜・河川における砂鉱の採取なども広い意味での露天掘りに含まれる。

主要な採掘方式
露天掘りにおける代表的な方式としては、階段式やグローリーホール式が挙げられる。

階段式
階段式は、地表から階段状に斜面を切り崩しながら採掘していく最も広く用いられている方式である。重機の導入や運搬が容易であるため、重金属から非金属鉱石に至るまで多くの鉱山で活用されている。ただし、鉱床が地表近くに位置し、かつ大量に埋蔵されていることが条件となるため、日本国内では主に石灰石や陶石、珪石などの非金属鉱床で採用されてきた。

グローリーホール式
グローリーホール式は、山腹に横坑を掘削したうえで、その真下へ向かって縦坑を貫通させ、周囲の鉱床を漏斗状に掘り進める手法である。採掘された鉱石は縦坑を通じて下の集積施設に落下させ、トロッコやトラックによって横坑から外部へ搬出される。平地の少ない山岳地帯において有効な手法とされ、過去には日本の石灰石鉱山などで採用された例がある。

使用される重機と技術的特徴
露天掘りでは、使用する重機や採掘システムによってさらに細分化されることがある。クレーン等を利用する方式や、シャベルカーとダンプカーを組み合わせて鉱石や土砂を搬出する方式などが代表的である。大規模な露天掘り現場では、バケットホイールエクスカベーターやドラッグラインといった、人類史上最大級の自走式巨大機械が運用されることもある。


環境問題と跡地利用
大規模な露天掘りは、地表の植生を大きく損なう要因となるため、環境問題として議論されることがある。鉱山の運営会社によっては、採掘終了後に鉱山跡地を埋め戻したり植樹を行ったりするなどの環境配慮型のアプローチが実施される場合がある。また、過去には石川県能登島の沿岸海底に存在した燐鉱床を採掘するため、周囲に堰堤を築いて海水を排水したうえで海底露天掘りを行い、採掘終了後に跡地が港湾として再利用された事例も存在する。
よくある質問
露天掘りとはどのような採掘手法ですか?
階段式とグローリーホール式はどう違いますか?
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参考文献
- 植田武, 松井紀久男, 島田英樹、「環境を考慮した露天掘り石炭鉱山の開発」 『資源と素材』 2005年 121巻 9号 p.438-445, doi:10.2473/shigentosozai.121.438
- 石川県. 「半ノ浦港」