労働運動の歴史と展開

📌 主なポイント
- ✓労働運動は、資本主義社会において労働条件の改善や社会的地位の向上を目指す運動である。
- ✓18世紀後半のイギリスにおける産業革命期には、機械打ちこわしを行うラッダイト運動が発生した。
- ✓1864年には第一インターナショナルが結成され、国際的な労働者の連帯が進んだ。
- ✓日本においては憲法第28条によって労働基本権が保障されている。
労働運動(ろうどううんどう)とは、資本主義社会において資本家階級からの搾取と抑圧に反抗し、労働者が団結して自らの労働条件の改善や社会的な地位の安定、政治権利の獲得などを目指すために、使用者に対して行う運動である。

歴史的背景と発展
18世紀後半にいち早く産業革命を迎えたイギリスでは、従来の手工業的職人層を賃金労働者に転落させた原因は機械にあるとし、1799年の団結禁止法による組織禁圧も重なって、工場や機械に対する襲撃・放火・破壊といった「ラッダイト運動」と呼ばれる激しい抗議行動が起きた。その後、団結禁止法が1824年に撤廃されると、労働運動は一揆的な暴力闘争から永続的な組織による運動へと移行していった。
職人組合に代わって登場した労働組合は急速に全国的組織へと成長し、1834年にはロバート・オウエンの指導のもとで「全国労働組合大連合」が組織された。また、労働階級の利益を反映する議会制度の改革や立法の獲得を目指すチャーチスト運動などの広範囲な政治運動も展開された。1848年にはカール・マルクスの『共産党宣言』が公刊され、その後の労働運動に大きな影響を与えている。

国際的な組織化とインターナショナル
19世紀後半以降、欧州諸国やアメリカにおいて労働組合は全国的な組織へと発展していった。同時に国際的な労働者組織(インターナショナル)の結成も進み、1864年には第一インターナショナル、1889年には第二インターナショナルが設立された。第一インターナショナルはマルクスやフリードリヒ・エンゲルスの指導下に立ち、1871年のパリ・コミューンを擁護した。
さらに、1917年のロシア革命によって世界で初めての社会主義政権が誕生すると、全世界の労働運動に多大な衝撃を与えた。1919年には共産主義インターナショナル(コミンテルン)が創立されるなど、資本主義諸国における労働組合運動はかつてない高まりを見せた。
日本における労働運動の特徴
日本においては、日本国憲法第28条によって「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利」が労働基本権として保障されている。歴史的に日本の労働運動は政党との密接な結びつきを特徴として持っていたが、近年は正規雇用者を中心とした組織率の低下や、非正規雇用者・中小零細企業労働者の増加に伴う合同労働組合の台頭など、時代の変化に応じた新たな課題に直面している。