物理化学
物質のゴム状態における物性とゴム弾性の基礎

固体が示すゴム状態とゴム弾性(エントロピー弾性)の特徴、架橋点の構造、温度変化による物性の変遷について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓ゴム状態は高い弾性限界と低い弾性率を特徴とする固体の状態である。
- ✓ゴム弾性体の常温でのヤング率は金属やガラスの1万分の1から10万分の1程度である。
- ✓ゴム状態の網目構造は、化学架橋や物理架橋と呼ばれる架橋点によって形成されている。
ゴム状態(ゴムじょうたい、英語:rubber)とは、固体がゴム弾性(エントロピー弾性)を示している状態を指します。物理学的な観点からは、弾性限界が高く、弾性率が低い状態として定義されます。
ゴム弾性の特徴
ゴム弾性を示す物質は、通常の金属やガラスとは異なる独特の物理的性質を持ちます。
- 常温での弾性率(ヤング率)はおよそ1から10 MPaの範囲にあり、これは金属やガラスの1万分の1から10万分の1程度の非常に低い値です。
- わずかな応力を加えるだけで元の長さの数倍まで伸びることが可能でありながら、破断することなく、外力を取り除けば瞬間的にもとの形状へと戻ります。
- 一定の長さに保たれた状態での応力(弾性率)は、絶対温度に比例するという性質を示します(メイヤー-フェリーの実験)。
- 一定の張力が加わった状態で温度を上昇させると長さが縮み、逆に断熱的な条件で引き伸ばすと発熱する現象(Gough–Joule effect)が確認されます。
よくある質問
ゴム状態とはどのような状態ですか?
固体がゴム弾性(エントロピー弾性)を持ち、高い弾性限界と低い弾性率を示している状態のことです。
ゴム弾性における代表的な温度特性は何ですか?
一定長さでの応力が絶対温度に比例することや、一定張力下で温度を上げると縮む(Gough-Joule effect)といった特徴があります。
架橋点にはどのような種類がありますか?
分子鎖同士が共有結合で結ばれた化学架橋と、分子鎖の絡み合いや部分的な結晶化などによる物理架橋が存在します。
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参考文献
長倉三郎、他 編『岩波理化学辞典』(5版)岩波書店、1998年2月。
『物理学辞典-改訂版』培風館、1992年5月。
日本ゴム協会 編『ゴム技術入門』丸善、2004年、26-33頁。ISBN 4-621-07393-1。
村上謙吉『レオロジー基礎論』産業図書、1991年、40頁。
『物理学辞典-改訂版』培風館、1992年5月。
日本ゴム協会 編『ゴム技術入門』丸善、2004年、26-33頁。ISBN 4-621-07393-1。
村上謙吉『レオロジー基礎論』産業図書、1991年、40頁。