航空気象
滑走路視距離(RVR)の概要と航空気象における役割
航空気象における滑走路視距離(RVR)の定義、測定方法、計器進入における重要性について解説します。
📌 主なポイント
- ✓滑走路視距離(RVR)は、滑走上の操縦士が滑走路の標識や灯火を視認できる距離を指す。
- ✓RVRの測定には、主に前方散乱計などの滑走路視距離計が用いられる。
- ✓RVRの最大値は通常2,000メートル(6,500フィート)である。
- ✓計器進入を行う際の重要な最低基準の一つとして利用されている。
滑走路視距離(かっそうろ しきょり、英語: runway visual range、略称: RVR)とは、航空気象用語の一つであり、滑走路上にある航空機の操縦士が滑走路の中心線上から見通すことができる距離を指す。
定義と測定
操縦士が滑走路面上の標識、あるいは滑走路の輪郭や中心線を示す灯火を識別できる距離として定義される。通常、メートルまたはフィートで表される。
現代の空港では、大気の透明度をもとに算出する滑走路視距離計(前方散乱計や透過率計など)を用いて測定が行われている。これらは精密進入が設定されている滑走路の接地点付近のほか、必要に応じて滑走路の両端や中央付近に設置される。
航空運航における重要性
ほとんどの場合、操縦士は滑走路を視認して着陸を行うため、RVRは計器進入を実施する際の主要な最低基準の一つとなっている。RVRの最大値は通常2,000メートル(6,500フィート)とされており、これを超える値については航空気象観測において特段通報されない。
観測されたRVRの値はMETARやSPECIなどの気象通報式に含まれて配布されるほか、航空管制官を通じて着陸進入中の航空機へ伝えられ、操縦士が進入継続の判断材料とする。
代替手段と地上視程換算値
RVRが未設置である場合や、装置の故障等により利用できない場合には、地上視程(卓越視程)の値に一定の倍率を乗じて得られた値を代替値として用いることがある。これは地上視程換算値(Converted Meteorological Visibility; CMV)と呼ばれるが、離陸およびILSカテゴリーII/III進入には使用できない。
よくある質問
滑走路視距離(RVR)とは何ですか?
滑走路上にいる操縦士が、滑走路の中心線上から標識や灯火を識別できる距離のことです。
RVRはどのように測定されますか?
主に前方散乱計や透過率計などの滑走路視距離計を用いて大気の透明度から算出されます。
RVRが利用できない場合はどうなりますか?
地上視程の値に一定の倍率をかけた地上視程換算値(CMV)が代替として使用されることがありますが、利用できる進入方式には制限があります。
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参考文献
- David W. Wragg (1973). A Dictionary of Aviation. Osprey. p. 226.
- 滑走路視距離観測装置, 気象庁.
- 航空保安業務処理規程第5管制業務処理規程・新旧対照表.
- 視程・滑走路視距離の観測, 中部航空地方気象台.