河川の流路形状と水系構造の地理的分類

📌 主なポイント
- ✓流路形状は、河川の部分的な流路や川筋の地形を表す総称である。
- ✓本川に対して別の河川に合流する川を支川、本川から分岐する川を派川と呼ぶ。
- ✓合流点は歴史的に交通の要所として発展し、国内外で多くの都市や地名の由来となった。
流路形状(りゅうろけいじょう)とは、河川の部分的な流路や川筋が示す地形の総称である。これに対し、主要な流路である本川や、分岐する流路、合流する流路、さらに湖沼なども含めて流路を部分的に共有する河川全体の体系を水系と呼び、それらが水を集める分水界の内側の範囲を流域と呼ぶ。

水系は、流路を同じくする河川全体を一体的に捉えて体系化する概念および分類法であり、地理学や水文学において重要な基礎知識となっている。
本川と支川の分類
ある河川より分岐する流路や、別の河川に加わる流路が存在する場合、それらに対する主要な流路を本川(ほんせん)と呼ぶ。俗に本流や主流とも称される。
一方、他の河川に合流する河川は支川(しせん、英語:tributary)と呼ばれ、一般には支流とも呼ばれる。本川の左岸に合流する川を左支川、右岸に合流する川を右支川と呼び、本流に直接合流する川を一次支川、一次支川に合流する川を二次支川のように次数で段階的に分類することもある。

川が合流する際、距離や流量の大小関係が明確な場合は本川と支川の区別が容易であるが、一方が長く流量が少ない一方で他方が短く流量が多い場合などでは区別が難しい場合もある。スイスのライン川とアーレ川のように、流量の多いアーレ川よりも距離の長いライン川が本川とされている例や、歴史的・地理的な経緯によって決定される場合も存在する。
派川と分流
河川が海へ流れ出る前などに本流から分かれていく川は派川(はせん、英語:distributary)と呼ばれ、分流とも俗称される。派川は多くの場合、河口付近で三角州(デルタ)を形成する。

また、洪水防御を目的として人工的に造られる派川は放水路と呼ばれる。世界的な派川の例としては、オリノコ川上流で分岐してアマゾン川水系のネグロ川に注ぐカシキアレ川などが知られている。
合流点とその歴史的意義
二つ以上の水流が合わさる地点は合流点と呼ばれる。近代以前、河川は主要な交通路であったため、合流点には交通結節点として都市や集落が発展することが多かった。

ドイツのコブレンツはライン川とモーゼル川の合流点に位置し、その地名は古代ローマの砦に由来する。日本においても、アイヌ語の「プトゥ(川の合流点)」に由来する「雨竜太」や「空知太」といった地名が北海道に残されている。
旧河道
河川の直線化や流路改修に伴って残された元の流れを旧河道(きゅうかどう)と呼ぶ。都市部では暗渠化されたり、遊歩道や住宅地として利用されたりすることが多い。