地理
犀川 (長野県)

長野県を流れる信濃川水系の一級河川、犀川の地理、歴史、治水、および流域の文化について解説します。
📌 主なポイント
- ✓犀川は信濃川水系最大の支流である。
- ✓上流部は梓川と呼ばれ、奈良井川との合流点から犀川と名称が変わる。
- ✓流域には発電専用のダムが多数建設されている。
- ✓泉小太郎伝説など、治水にまつわる民話が古くから伝わる。
犀川(さいがわ)は、長野県内を流れる信濃川水系の一級河川です。延長および流域面積において、信濃川水系最大の支流として知られています。一般的には、松本市島内で奈良井川を合流させた地点から、長野市で千曲川と合流するまでの区間を指し、それより上流部は梓川(あずさがわ)と呼ばれます。
地理
飛騨山脈(北アルプス)南部の槍ヶ岳(標高3,180メートル)に源を発し、上高地を南流します。その後、奈川渡ダム周辺で奈川などを合流させ、安曇野市付近で松本盆地へと流れ込みます。松本盆地では奈良井川や高瀬川といった主要な支流を合わせ、北東へと流路を変えながら長野盆地へと至り、最終的に長野市付近で千曲川へと合流します。

犀川の流路は、急峻な地形を縫うように流れており、特に生坂村から長野市にかけての区間では、激しい穿入蛇行が見られ、美しい渓谷美を形成しています。この区間は「犀峡(さいきょう)」とも呼ばれます。

治水と電源開発
犀川流域には、発電を目的としたダムが多数建設されています。東京電力リニューアブルパワーが管理する生坂ダム、平ダム、水内ダム、笹平ダム、小田切ダムなどがその代表例です。一方で、これらのダムは主に発電専用であり、洪水調節機能を持たないものも多いため、過去には水害や土砂災害が繰り返し発生してきました。特に1847年の善光寺地震による河道閉塞や、昭和期の台風による豪雨被害などが記録されています。

伝承と文化
犀川流域には「泉小太郎伝説」などの民話が伝わっています。これは、龍によって犀川が開かれ、松本盆地の湖水が排水されたという伝説で、山清路はその開削の地として語られています。また、久米路橋にまつわる人柱伝説も有名であり、作家の松谷みよ子による再話『おしになった娘』などの文学作品の題材にもなりました。


よくある質問
梓川と犀川の違いは何ですか?
河川法上は同一の流路ですが、一般的に上高地から松本市島内で奈良井川と合流するまでの区間を梓川、それ以降を下流部として犀川と呼び分けています。
犀川にはダムが多いのですか?
はい、犀川流域には東京電力リニューアブルパワーが管理する発電専用ダムが多数建設されています。
犀川に関連する有名な伝説はありますか?
龍が犀川を開削して松本盆地の湖水を排水したとされる「泉小太郎伝説」が有名です。
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参考文献
- 植木岳雪、「長野県北部八坂村相川周辺の地すべり地形の形成時期」『第四紀研究』2001年。
- 日外アソシエーツ編集部編、『日本災害史事典 1868-2009』、2010年。
- 仁科宗一郎著、『安曇の古代 -仁科濫觴記考-』、柳沢書苑、1982年。
- 長野県遊漁規則(長野県公式ウェブサイト)。