気象学

細氷(ダイヤモンドダスト)の気象学的特徴と観測条件

細氷(ダイヤモンドダスト)の気象学的特徴と観測条件
大気中の水蒸気が昇華して形成される細氷(ダイヤモンドダスト)の気象学的定義、氷霧との違い、発生条件や観察例について詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • 細氷とは大気中の水蒸気が昇華してできた小さな氷晶が降る現象であり、ダイヤモンドダストとも呼ばれる。
  • 気象庁の分類では降水現象(雪)に含まれ、晴天時であっても細氷が観測された場合は天気は雪として記録される。
  • 氷晶が浮遊するだけの氷霧とは異なり、細氷は氷晶が降る現象であり、粒子サイズも比較的大きい。

細氷(さいひょう)とは、大気中の水蒸気が昇華(凝華)して形成された、ごく小さな氷の結晶(氷晶)が空から降る気象現象である。一般にはダイヤモンドダストの通称で広く知られている。

発生条件と気象学的性質

よく晴れた朝など、気温が氷点下10度以下の極めて低温な環境下で発生することが多い。日光が微細な氷晶に反射・屈折して輝くため、ダイヤモンドダストと呼ばれる。気象庁の定義において、細氷は降水現象(雪)に分類されるため、空が晴れていても細氷が観測された場合の天気は「雪」として記録される。また、視程は1キロメートル以上であることが特徴である。

カナダ・オンタリオ州ロンドンで撮影された光柱を伴う細氷
カナダ・オンタリオ州ロンドンで撮影された光柱を伴う細氷

氷霧との違い

細氷と混同されやすい現象として氷霧(こおりぎり)がある。氷霧は小さな氷晶が大気中を浮遊する現象であり、氷晶が上空から降る細氷とは区別される。また、氷晶の大きさは氷霧よりも細氷のほうが大きい。天気の種類としても、氷霧は霧に含まれるのに対し、細氷は雪(降水現象)に含まれる。

各地での観察例

日本では、厳冬期の北海道内陸部(旭川市など)での観察が典型的である。一般には極めて低温な環境を要するとされるが、局所的な気象条件が揃えば比較的高めの気温でも観測されることがある。例えば、2005年2月9日につくば市で気温2度において短時間の発生が観察された事例や、12月のロッキー山中、モスクワ近郊の中庭、蔵王山の霧氷林、さらには熊本県(阿蘇山上)などでの観測記録が報告されている。

2005年2月9日に茨城県つくば市で撮影された細氷
2005年2月9日に茨城県つくば市で撮影された細氷

大気光学現象との関連

細氷を構成する氷晶によって太陽光や月光が反射・屈折するため、ダイヤモンドダストが発生している大気中では、暈(かさ)、幻日、太陽柱などの大気光学現象が同時に現れることがある。

よくある質問

細氷とダイヤモンドダストは同じものですか?
はい、同じ現象を指します。細氷は学術的・気象学的な名称であり、日光を受けてダイヤモンドのように輝く様子からダイヤモンドダストとも呼ばれます。
細氷が観測されるときの天気はどう記録されますか?
空が晴れていても、細氷は降水現象(雪)に分類されるため、天気は「雪」として記録されます。
細氷と氷霧の違いは何ですか?
細氷は氷晶が上空から降る現象で雪に含まれますが、氷霧は氷晶が大気中に浮遊する現象であり霧に含まれます。また、細氷のほうが氷晶のサイズが大きいという特徴があります。

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幻日太陽柱霧氷

参考文献

  • 探検の殿堂~西堀榮三郎記念〜EXPLORER MUSEUM
  • 気象庁 | 降水