サン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』の歴史と特徴

📌 主なポイント
- ✓カミーユ・サン=サーンスが作曲した全3幕のオペラである。
- ✓台本は作曲者の従兄弟であるフェルディナン・ルメールがフランス語で手掛けた。
- ✓1877年12月2日にヴァイマルでフランツ・リストの尽力によりドイツ語で初演された。
『サムソンとデリラ』(Samson et Dalila)は、フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスが作曲した全3幕からなるオペラである。旧約聖書の「士師記」第13章から第16章に記されたサムソンの物語を題材としており、『サムソンとダリラ』とも表記される。

ヘラルト・ファン・ホントホルストによる1615年の絵画をはじめ、古くから多くの芸術家のインスピレーションの源となった題材である。
作曲および初演の経過
サン=サーンスが本作の作曲に着手したのは1868年であるが、当初はオペラではなくオラトリオとして構想されていた。フランス語のリブレット(台本)は、作曲者の従兄弟であるフェルディナン・ルメールが手掛けた。1870年に第2幕が完成した時点で非公開の試演が行われたが、当時は芳しい評価を得られなかった。作曲開始から6年後の1874年に全曲が完成し、再度第2幕の試演が行われたものの、聖書の物語を劇場の舞台で扱うことに対する興行側の抵抗もあり、パリ・オペラ座での上演は拒否された。翌1875年には第1幕のみが演奏会形式で初演されたが、これも酷評に終わった。

全曲の初演は、1877年12月2日にドイツ・ヴァイマルの宮廷歌劇場において、ドイツ語訳によって行われた。この上演は、フランツ・リストの強い希望と尽力によって実現したものである。その後、フランス初演は1890年にルーアンで行われ、同年10月にはパリでも初演された。パリ・オペラ座での初演は1892年11月23日に行われ、ようやく大きな成功を収めることとなった。

作品の特徴と音楽
サン=サーンスのオペラ作品群のなかでも、受け入れられるまでに最大の障壁があった一方で、最も長期にわたる成功を収めた作品である。全13曲あるサン=サーンスのオペラの中で、今日でも頻繁に上演される唯一の作品となっている。

音楽的には、東洋的な色彩をもつ第3幕第2場のバレエ音楽「バッカナール」や、第2幕第3場におけるデリラの二重唱「あなたの声に私の心も開く」などが特に広く知られている。当時のグランド・オペラの様式を継承しつつも、オラトリオとしての出発点を反映してト書きが非常に少ない点などが特徴として挙げられる。

また、ジョルジュ・ビゼーの『カルメン』と並び、メゾソプラノが主役級を務める数少ないオペラとしても知られている。
楽器編成
本作の管弦楽編成は以下の通りである。
- 木管楽器:フルート2、ピッコロ、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット
- 金管楽器:ホルン4、トランペット2、コルネット2、トロンボーン3、チューバ、オフィクレイド2
- 打楽器:ティンパニ、大太鼓、シンバル、トライアングル、グロッケンシュピール、ラチェット、カスタネット、タンブリン、タムタム
- その他:弦五部、ハープ2

よくある質問
『サムソンとデリラ』の作曲者は誰ですか?
初演はどこで行われましたか?
作品の中で特に有名な曲は何ですか?
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参考文献
『オックスフォードオペラ大事典』平凡社。
『最新名曲解説全集』音楽之友社、1998年。
『スタンダード・オペラ鑑賞ブック5』音楽之友社、1998年。