地理学

山地(地形)の定義と分類

山地とは何か、その地理学的な定義や分類、および「山脈」との用語上の関係について解説します。

📌 主なポイント

  • 山地は、平地と比較して大きな起伏や傾斜を持つ、複数の山からなる広大な地域を指す。
  • 成因別に褶曲山地、地塊山地、侵食山地、火山性山地に分類される。
  • 「山地」と「山脈」の使い分けには地理学的な厳密さと慣用的な表現の間に不統一が存在する。

山地(さんち)とは、平地と比較して大きな起伏や傾斜を持ち、周囲よりも標高が高い地域を指す地理学上の用語です。単一の山ではなく、複数の山々が集まった広大な地域を総称する概念として用いられます。

地理学における定義

山地の定義は文脈によって異なりますが、1954年に当時の地理調査所が発行した「主要自然地域名称図」では、山地を「地殻の突起部」と定義し、総括的な意味を持つ地形として扱っています。百科事典等の学術的資料では、成因や発達段階に基づいた分類がなされており、褶曲山地、地塊山地、侵食山地、火山性山地などがその代表例です。また、地形の発達段階に応じて幼年期、壮年期、老年期といった区分で論じられることもあります。

「山地」と「山脈」の用語上の関係

日本語における「山地」と「山脈」の使い分けには、地理学的な厳密さと慣用的な表現の間に不統一が見られます。英語圏では「mountains」や「mountain range」といった用語が用いられますが、これらはしばしば日本語では「山脈」と訳されます。しかし、米地文夫(1993)の研究によれば、英語圏の日常語において「mountain range」という言葉が必ずしも頻繁に使われるわけではないことが指摘されています。

日本国内の地理名称においては、両者の関係は一貫していません。例えば、「讃岐山脈」と「剣山地」のように同格として扱われる場合や、「四国山地」の中に「讃岐山脈」が含まれるような上位・下位の関係、あるいはその逆の事例も存在します。このように、山地と山脈の境界線は学術的な定義と慣用的な呼称が混在しているのが現状です。

よくある質問

山地と山脈の違いは何ですか?
地理学的な定義において両者は必ずしも明確に区別されておらず、地域や慣習によって使い分けられています。一般的に山地は広範囲の起伏を指す総括的な用語として使われることが多いですが、名称上は同格であったり、一方が他方の上位概念として扱われたりと、統一された基準はありません。
山地はどのように分類されますか?
主に成因に基づき、褶曲山地、地塊山地、侵食山地、火山性山地などに分類されます。また、地形の発達段階(幼年期、壮年期、老年期)によって分類されることもあります。

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参考文献

  • 米地文夫「地理教育用語としての「山脈」と日常語としての「山脈」-「竜脈」から「青い山脈」まで-」『季刊地理学』第45巻第3号、東北地理学会、1993年9月、167-170頁。
  • 「山地」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』(コトバンク)、2017年8月1日閲覧。