植物
サトウキビの栽培と利用に関する生態学的・歴史的考察

イネ科サトウキビ属の植物であるサトウキビの生物学的特徴、世界的な生産地、日本国内での栽培史や加工・利用方法について解説します。
📌 主なポイント
- ✓サトウキビ(学名: Saccharum officinarum)はイネ科サトウキビ属の植物である。
- ✓茎の内部は空洞ではなく、糖分を含んだ髄が詰まっている。
- ✓C4型光合成を行うため、生育には十分な日照と水分が必要である。
- ✓日本国内では主に南西諸島で栽培されているほか、一部の本州や四国でも栽培の歴史がある。
サトウキビ(砂糖黍、甘蔗、学名: Saccharum officinarum)は、イネ科サトウキビ属に分類される植物であり、世界各地の熱帯および亜熱帯地域において、砂糖(蔗糖)の主要な原料として広く栽培されている。

植物学的特徴
サトウキビはテンサイと並んで重要な糖原料作物である。栽培種の起源はニューギニア島周辺とされ、紀元前6000年前後にインド方面へ伝播したと考えられている。茎は竹のように木化して節を持ち、高さは3メートルに達することがある。竹とは異なり、茎の節間の内部は空洞ではなく、糖分を豊富に含んだ髄組織で満たされている。秋季には茎の先端からススキに似た穂をつける。

生理学的にはC4型光合成を行う植物であり、生育には十分な日照量と豊富な水源を必要とする。
世界および日本の生産状況
国際連合食糧農業機関(FAO)などの統計によると、世界のサトウキビ生産量は膨大な規模に達しており、ブラジルやインドなどが主要な生産国として知られている。日本国内においては、南西諸島(沖縄県および鹿児島県の奄美群島)が主産地となっている。また、四国地方や本州の一部地域(静岡県掛川市南西部の遠州横須賀地区など)でも伝統的な栽培が行われており、和三盆などの原料となる品種が育てられている。
加工と多様な利用方法
サトウキビの茎の髄は生食されるほか、搾汁してサトウキビジュースなどの飲料に利用される。また、製糖の過程で得られる糖蜜や搾りかすは、様々な工業的・食品的用途に活用されている。
- 製糖・食品原料:黒糖、白下糖、和三盆などの甘味料のほか、うまみ調味料の原料となる廃糖蜜が生産される。
- 酒類原料:カリブ海地域を中心に発展したラム酒や、ブラジルのカシャッサ、日本の奄美群島における黒糖焼酎の原料として用いられる。
- バイオマス・工業利用:搾りかすであるバガスは、製紙用パルプやバイオ燃料の原料、あるいはボイラーの燃料として活用されている。

よくある質問
サトウキビの原産地はどこですか?
栽培種の起源はニューギニア島とその周辺の島々であるとされており、その後紀元前6000年前後にかけてインドや東南アジアへ広がったと考えられています。
サトウキビの茎の中身はどうなっていますか?
竹に似た見た目をしていますが、内部は空洞ではなく、糖分を多く含んだ髄(ずい)と呼ばれる組織が詰まっています。
サトウキビの搾りかすは何に利用されますか?
搾りかすは「バガス」と呼ばれ、製紙用パルプの原料、バイオ燃料、ボイラーの燃料、あるいはキクラゲ類の栽培培地などとして広く利用されています。
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砂糖テンサイラム酒黒糖焼酎イネ科
参考文献
国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス「サトウキビ」
牧野富太郎『原色牧野植物大図鑑』1982年
国際連合食糧農業機関(FAO)統計データ
日本農業新聞関連報道