海山(海洋地質学における海底地形)の解説

📌 主なポイント
- ✓海山は周囲の海洋底から1000メートル以上の比高を持つ孤立した海底地形である。
- ✓海山から採集される基盤岩は主に玄武岩であり、海底火山であると推定されている。
- ✓頂部が水深200メートルより深く、平坦な頂上を持つ海山はギヨーと呼ばれる。
- ✓海底地形の新規命名や承認は、国際水路機関とユネスコ政府間海洋学委員会傘下のSCUFNを通じて行われる。
海山(かいざん、英: seamount)とは、海底地形の一種であり、周囲の海洋底から1000メートル以上の比高を有し、比較的孤立した高所部であって頂上の径が大きくないものを指す[1]。
海山の定義と分類
海山と海丘(Knollまたはhill)は、一般に頂上とその周囲の海洋底との比高によって区別される。比高が1000メートル以上のものが海山と呼ばれ、1000メートル未満のものは海丘と呼ばれる[3]。また、海山のうち、頂部が水深200メートルよりも深く、頂上が平坦なものはギヨー(平頂海台)と呼ばれる。

成因と火山活動
海山から採集された基盤岩がほぼ玄武岩であることから、海山はすべて海底火山であると推定されている。そのため、ホットスポットの上や海溝近辺に多く存在する傾向がある。その頂上の深度や噴火の規模によっては、頂上が海面上に現れて新たな島となることもある。
海上で変色水が認められる場合などは海山の噴火が起きる可能性が高いため接近は危険であり、過去には噴火が直撃して船体が破壊された事例も確認されている。危険な海山に対しては航行警報が発表されることがあり、例えば活発な火山活動が確認されている福徳岡ノ場などは海上保安庁が常時監視し、一般船舶の接近を禁止している。
海山の命名プロセス
定着した名称がない海山を含む海底地形を新たに命名する場合、国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)傘下にある海底地形名称小委員会(SCUFN)に各国が申請し、承認を得ることで『海底地形名集』に収録され、世界に周知される仕組みになっている[2, 4]。近年は海洋権益を巡る動向に関連して、各国が自国風の名称を申請する動きが見られる[6]。日本政府も天体や日本の海洋学者、作家名などにちなんだ名称を提案し承認されており、例えば沖縄諸島南方の海域では文豪にちなんだ名称が確定している[6]。
海山群と海嶺の形成
海面下の地殻プレートがマグマのホットスポットの上を移動する間に、海山が次々と生成される。これにより、海山群や海底山脈、ハワイ海嶺などの海嶺が形作られることがある。
よくある質問
海山と海丘の違いは何ですか?
ギヨーとはどのような地形ですか?
海山の新しい名称はどのように決まりますか?
関連記事
参考文献
- 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、57頁。
- 跡部治「海底地名の決定」『地学雑誌』第84巻第1号、東京地学協会、41-45頁。
- 海上保安庁「用語解説」。
- 国際水路機関 (IHO) 「GEBCO Sub-Committee on Undersea Feature Names (SCUFN)」。
- 海上保安庁「日本提案の海底地形名を国際会議が承認」(2014年)。
- 読売新聞「中国に先手、海底地形に『漱石』『龍之介』の名」(2018年1月5日)。