生物(生き物)の定義、分類、および地球環境との関わり

📌 主なポイント
- ✓生物はエネルギー転換を行い、自己増殖し、自己保存の能力をもつ複雑な物質系である。
- ✓現代の生物分類では、真核生物、細菌、古細菌の三ドメイン説が一般的である。
- ✓地球上の大気における酸素の増加は、シアノバクテリアなどの光合成生物の登場が大きな要因となっている。
- ✓生物の主要な構成成分には水、タンパク質、脂質、多糖、核酸が含まれる。
生物(せいぶつ、英: life, organism、独: Organismus、Lebewesen)とは、生命を持つものであり、より具体的には「エネルギー転換を行い、自己増殖し、かつ自己保存の能力をもつ複雑な物質系」である。無生物と区別される属性である「生命」を備えているものの総称であり、生き物とも呼ばれる。

生物の定義と特徴
生物の本質的属性としての生命の定義は必ずしも一筋縄ではなく、統一された見解を得ることは困難とされている。一般には「生命現象を示すもの」とされる。生物が無生物に対して持つ主要な特徴としては、自己増殖能力、エネルギー変換能力、自己と外界との明確な隔離が挙げられ、進化する能力が加えられることも多い。
また、生物は外界との物質やエネルギーのやり取りを絶やすことのない開放系でありながら、恒常性(ホメオスタシス)を維持する能力を持ち、常に変化している。すべての生物は細胞を基礎として構成されている。ウイルスのように細胞を持たない存在もあるが、それらは寄生する細胞がなくては増殖できないため、生物に含めるか否かについては議論が存在する。

生物の分類体系
現在生きている生物は少なくとも300万種、おそらくは1000万種に達すると推測されている。これらを特徴に応じて階級に所属させ、秩序を与えることが分類である。基本分類階級として、大きいほうから順に界、門、綱、目、科、属が設置される。
歴史的には植物界と動物界の二界説から始まり、三界説や五界説などが提唱されてきた。五界説ではモネラ界、原生生物界、植物界、菌界、動物界に分類される。しかし、分子系統学の成果を反映した現代においては、細胞特性に基づき真核生物、細菌(バクテリア)、古細菌(アーキア)の3つのドメインに大別する三ドメイン説が一般的となっている。

生物相互の関係
地球上の多様な生物の間には、捕食や被食といった直接的な関係のほか、寄生や共生、花粉媒介といった複雑な関係が成立している。ある生物種にとって、他のさまざまな生物との関係は「生物的環境」を構成しており、この関係性を分析することによって初めてその生活が理解可能となる。

生物と地球環境の相互作用
生物が出現する前の地球は、二酸化炭素を多く含む大気と高めの地表温度であったと推測されている。今から35億〜24億年前頃にシアノバクテリアが登場して光合成を行うようになり、海水中および大気中へ酸素が放出された。この大酸化イベントを経て大気組成が変化し、オゾン層が形成されたことで、宇宙線や紫外線が遮断され、生物の陸上進出が可能となった。
生物を成り立たせる生体物質
水、タンパク質、脂質、多糖、核酸は生物の主要な構成成分である。どの生物でも体の約70%は水であり、化学反応がおこる場を提供している。タンパク質はアミノ酸の重合によって構成され、細胞の骨格や生体内化学反応の触媒である酵素として働く。核酸は遺伝情報を記録し次の世代へ引き継ぐ。脂質は細胞膜を形成し、エネルギー貯蔵物質としても機能する。
地球外生命体の可能性
地球以外の天体で生物が発見された事例はないが、太陽系内外において生命が存在する可能性は否定されていない。太陽系内では火星の南極の氷床の下に液体の水とみられる層が存在すると推測されており、単細胞生物が生存している可能性が指摘されている。