生物多様性の概念と保全

📌 主なポイント
- ✓生物多様性は、生態系の多様性、種多様性、遺伝的多様性の3つの階層から構成される。
- ✓「Biodiversity」という言葉は1985年にW.G.ローゼンによって造語された。
- ✓日本近海には全海洋生物種数の約14.6%が分布していることが海洋研究開発機構等の調査で示されている。
生物多様性(せいぶつたようせい、英語: biodiversity)とは、生態系、生物群系、または地球全体に存在する生物の多様な状態を示す概念である。一般的に、生態系の多様性、種多様性、遺伝的多様性という3つの階層から構成される。
定義と用語の沿革
「生物多様性」という言葉は、1970年代から使われていた「生物学的多様性」(biological diversity)に由来する造語である。1985年に全米研究評議会の生物学的多様性フォーラムの計画中にW.G.ローゼンによって造語され、1988年に昆虫学者・生態学者のエドワード・オズボーン・ウィルソンが報告書の書名に使用したことで世界的に広まった。
国際的には、1992年に開催された地球サミットにおいて採択された生物多様性条約において、「すべての生物の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」と定義されている。
生物多様性の分布とホットスポット
地球上の生物多様性は均等に分布しているわけではない。一般に熱帯地域において多様性が高く、高緯度の極地に近づくにつれ種の数は減少する傾向にある。また、多数の固有種が存在し、人間活動により危機にさらされている地域は生物多様性ホットスポットと呼ばれており、ブラジルの大西洋岸森林やマダガスカル島、日本列島などがその例として知られている。
海洋においても、サンゴ礁などの沿岸域だけでなく、外洋の深海層においても多様な生物が生息していることが分かっており、日本近海は全海洋生物種数の約14.6%が分布する世界有数の生物多様性を持つ海域とされている。
保全に向けた取り組み
生物多様性の保全手法としては、本来の生息地で保護を行う域内保全と、遺伝資源の収集や人工繁殖など別個の場所で保護を行う域外保全が存在する。国家レベルでは、生物多様性行動計画や生物多様性国家戦略などの枠組みを通じた取り組みが行われているほか、国際的な協力体制の構築が進められている。
よくある質問
生物多様性とは何ですか?
生物多様性の3つの階層とは何ですか?
生物多様性ホットスポットとはどのような地域ですか?
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参考文献
2. E.O.Wilson (ed.), Biodiversity, National Academy Press, 1988.
3. 海洋研究開発機構プレスリリース (2010年)