書籍・歴史
西国立志編とサミュエル・スマイルズの自助論の歴史

サミュエル・スマイルズの著書『自助論』が、中村正直によって『西国立志編』として明治時代に翻訳・出版され、広く読まれた歴史と背景を解説します。
📌 主なポイント
- ✓『自助論』は1859年にサミュエル・スマイルズによってイギリスで出版された。
- ✓中村正直によって翻訳され、『西国立志編』として1871年7月に日本で発売された。
- ✓『西国立志編』は明治時代の終わりまでに100万部以上を売り上げた。
『自助論』(じじょろん、原名: Self-Help)は、イギリスの著者サミュエル・スマイルズによって執筆され、1859年にジョン・マレー社より発行された自己啓発書である。300人以上の欧米人の伝記や成功談を集めて論じたものであり、近代における自己啓発書の原点として広く知られている。

背景と概要
本書の初版は1859年に刊行され、のちに1866年には第2版が発行された。第2版の正式な書名は『Self-Help; with Illustrations of Character, Conduct and Perseverance』である。序文に記された「天は自ら助くる者を助く」という一節は非常に著名であり、個人の勤勉や道徳的向上、継続的な努力の重要性を説いている。
日本への導入:西国立志編
当時、幕府の留学生であった中村正直は、サミュエル・スマイルズの原著(なお翻訳されたのは初版ではなく1867年の増訂版であった)を日本語に翻訳した。この翻訳書は『西国立志編』(さいこくりっしへん)と名付けられ、1871年(明治4年)7月に日本国内で発売された。
『西国立志編』は明治時代の終わりごろまでに100万部以上を売り上げる大ベストセラーとなり、人々の価値観や思想に多大な影響を与えた。
教科書としての採用と変遷
1872年(明治5年)に学制が公布されると、『西国立志編』は学校の教科書としても使用されるようになった。
しかし、1880年になると当時の文部省が、君民一体や共和政治を志向する記述がある点を理由として、本書を教科書として不適当と判断した。さらに1883年には文部省が教科書の許可制を導入したため、『西国立志編』は公式な教科書としての使用が不可となった。
よくある質問
『自助論』の原著者は誰ですか?
イギリスの著者であるサミュエル・スマイルズです。
『西国立志編』を翻訳したのは誰ですか?
当時幕府の留学生であった中村正直が翻訳しました。
『西国立志編』はいつ日本で発売されましたか?
1871年(明治4年)7月に発売されました。
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参考文献
- 第2版の書名は、Self-Help; with Illustrations of Character, Conduct and Perseveranceである。
- “自分の力で人生を切りひらく!こども自助論”. 紀伊國屋書店ウェブストア. 2025年9月2日閲覧。
- 株式会社ローソンエンタテインメント. “みずから運命の扉を開く法則 自助論Self‐Help 完全現代語訳”. HMV&BOOKS online. 2025年9月2日閲覧。
- “富と品格をあわせ持つ成功法則 自助論self-help完全現代語訳”. 楽天ブックス. 2025年9月2日閲覧。
- なお翻訳したのは初版ではなく、1867年の増訂版だった。