気象学
積雪の定義と気象学的特性

積雪の定義、気象庁による観測基準、雪質の分類、および日本や世界における積雪の記録について解説します。
📌 主なポイント
- ✓積雪とは、地面の半分以上が雪や霰で覆われている状態を指す。
- ✓気象庁は、積雪が30日間以上継続した状態を長期積雪(根雪)と定義している。
- ✓積雪の重量は積雪荷重と呼ばれ、建築基準法などの設計において考慮される。
- ✓日本国内の山岳地帯における過去の最深積雪記録には、1927年の伊吹山(1182cm)がある。
積雪(せきせつ)とは、地面に雪や霰(あられ)が積もっている状態を指します。気象学的な定義において、積雪は地面の半分以上が雪や霰で覆われている状態を指し、観測点における積雪の深さを「積雪深」または「積雪量」と呼びます。
観測と定義
気象庁の観測基準では、「積雪0cm」と「積雪なし」を明確に区別しています。「積雪0cm」は観測地点の周囲の地面が半分以上雪や霰で覆われている状態を指し、「積雪なし」はそれ以外、あるいは雪が全く存在しない状態を指します。なお、夏季に雹(ひょう)や霰が積もった場合は、気象学上の積雪には含まれません。
ある期間内における積雪の最大値を「最深積雪」と呼び、ニュース等で報じられる積雪量は、積雪計が設置された地点の記録を指します。また、積雪の重量は「積雪荷重」と呼ばれ、建築基準法などの構造計算において重要な指標となります。
積雪の分類
日本雪氷学会は、雪質に基づいて積雪を以下の9種類に分類しています。
- 新雪:降雪時の結晶の形がほぼ残っているもの。
- こしまり雪:結晶が若干残り、丸みを帯びた氷の粒。
- しまり雪:圧縮や焼結により粒子が網目状に結合したもの。
- ざらめ雪:水の作用により粗大化した氷の粒。
- こしもざらめ雪:融解や霜の付着により平らになった小さな氷の粒。
- しもざらめ雪:新雪を核として成長した霜が肥大化したもの。
- 氷板:板状や層状の氷。
- 表面霜:積雪層の表面に発達する霜。
- クラスト:表面の再凍結によって形成された固い層。
長期積雪と根雪
寒冷地では積雪の融解が遅く、長期間にわたって雪が残ることがあります。気象庁は、積雪が30日間以上継続した状態を「長期積雪」あるいは「根雪」と定義しています。極地や高山帯では、この積雪が夏を越して1年以上継続し、万年雪や氷河を形成することもあります。
主な積雪記録
積雪の記録は観測地点や環境によって異なります。山岳地帯では非常に深い積雪が観測されることがあり、滋賀県の伊吹山では1927年に1182cmの最深積雪が記録されています。また、アメダス観測地点としては、青森県の酸ヶ湯で2013年に566cmが記録されています。
世界的な記録としては、1921年にアメリカ・コロラド州のシルバーレークで24時間積雪193cmが観測されたほか、2015年にはイタリアのカプラコッタで256cmの積雪が報告されています。
よくある質問
「積雪0cm」と「積雪なし」の違いは何ですか?
「積雪0cm」は観測点周囲の地面を半分以上雪や霰が覆っている状態を指し、「積雪なし」は雪や霰が全くないか、半分未満しか覆っていない状態を指します。
「積雪する」という言葉は正しいですか?
積雪は名詞であり、動詞として「積雪する」と使うのは誤用とされています。
降雪量と積雪量は同じですか?
異なります。降雪量は一定期間に降った雪の深さの合計であり、積雪量は特定の時点において地面に積もっている雪の深さです。
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雪気象庁建築基準法氷河
参考文献
- 日本雪氷学会北海道支部「積雪分類の用語集」
- 気象庁監修『気象年鑑』
- 気象庁「過去の気象データ検索」
- CNN「18時間で積雪256センチ、新記録か イタリア」