日本の年中行事
日本の伝統的な季節の節目と年中行事である節句の歴史と五節句の概要

日本における伝統的な季節の節目である節句の歴史や五節句の概要、節句料理や行事について解説するエンサイクロペディア記事です。
📌 主なポイント
- ✓節句は伝統的な年中行事を行う季節の節目であり、古くは節供や節日とも呼ばれていた。
- ✓江戸幕府によって公的な行事・祝日として定められた五節句には、人日、上巳、端午、七夕、重陽が含まれる。
- ✓1873年(明治6年)の太政官布告によって五節は廃止されたが、現代においては端午の節句が「こどもの日」として祝日になっている。
節句(せっく)とは、伝統的な年中行事を行う季節の節目となる日である。古くは節供(せっく)、あるいは節日(せちにち)とも称された。

歴史的背景と五節句の成立
日本の中世から近世にかけて、宮廷においては節会と呼ばれる宴会が開かれていた。その後、江戸幕府が公的な行事・祝日として5つの節句を定めたことで、いわゆる「五節句」として定着した。
対象となったのは、1桁の奇数のうち月と日が重なる日のうち、3月、5月、7月、9月の奇数が重なる日と、1月7日である。11月11日が含まれないのは、五行説に対応させるためなどの理由によるものとされている。また、1月1日の元日については年の初めという別格の扱いとされたため、五節句には含まれず、代わりに1月7日が充てられた。
五節句の一覧と主な特徴
| 漢名 | 日付 | 和名 | 節句料理・習俗 |
|---|---|---|---|
| 人日(じんじつ) | 1月7日 | 七草の節句 | 七草粥が食される。 |
| 上巳(じょうし) | 3月3日 | 桃の節句・雛祭り | 菱餅や白酒などが供される。 |
| 端午(たんご) | 5月5日 | 菖蒲の節句 | 菖蒲酒や菖蒲湯の習俗がある。関東では柏餅、関西などではちまきが食される。 |
| 七夕(しちせき) | 7月7日 | 笹の節句・七夕 | 裁縫の上達を願い素麺が食される。 |
| 重陽(ちょうよう) | 9月9日 | 菊の節句 | 菊を浮かべた菊酒などが楽しまれる。 |
近代以降の変遷と祝日化
明治維新後も一時実施されていたが、1873年(明治6年)1月4日の太政官布告により五節の制度は廃止された。その後、1948年(昭和23年)に公布・施行された「国民の祝日に関する法律」により、現在では端午の節句が「こどもの日」として国民の祝日に定められている。
節句料理と節句人形
もともと「御節供」と呼ばれた祝儀料理は五節句のすべてを指していたが、のちに最も重要視された人日の節句の正月料理を指すようになり、今日では正月三が日や松の内に食べる「おせち」へと発展した。一方で、七草粥のように個別の節句行事として現代に継承されているものもある。また、雛人形や五月人形などは「節句人形」と称され、それぞれの行事に際して飾られている。
よくある質問
五節句とは何ですか?
江戸幕府が公的な行事として定めた5つの節句であり、人日(1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)を指します。
なぜ11月11日は五節句に含まれないのですか?
五節句は、1桁の奇数である1・3・5・7・9のうち、月と日が重なる日のうち3・5・7・9月および1月7日を選んで構成されているためです。
節句の制度はいつ廃止されましたか?
1873年(明治6年)1月4日の太政官第1号布告「五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム」によって廃止されました。
関連記事
日本の暦年中行事おせち料理雛祭りこどもの日七夕
参考文献
- 神永曉 「「節句」と「節供」」 ジャパンナレッジ(日本語、どうでしょう?)、2017年。
- 土屋京子 「節句と節句料理についての一考察」 『東京家政大学博物館紀要』第15巻、2010年、79頁。
- 是澤博昭 「節句に見る子供――近代からみる江戸の子育て」 『幼児教育史研究』第12巻、2017年、59-62頁。