地形学

先行河川の地理学的特徴と形成メカニズム

先行河川の地理学的特徴と形成メカニズム
先行河川とは、地殻変動による地域の隆起に対して侵食力が勝ったことにより、流路がそのまま維持されて形成された河川およびその地形学的特徴について解説します。

📌 主なポイント

  • 先行河川とは、地域の隆起に対して河川の侵食力が勝り、流路が維持された河川である。
  • 先行河川によって形成された谷は「先行谷」と呼ばれる。
  • 代表的な例として、世界的にはコロラド川やインダス川、日本国内では天竜川や黒部川などが挙げられる。

先行河川(せんこうかせん)とは、地殻変動などによってその周辺の土地が隆起しているにもかかわらず、河川の侵食力が隆起速度を上回ったために、かつての流路をそのまま維持して流れ続ける河川のことである。この河川によって形成された谷は先行谷(せんこうこく)と呼ばれる。

形成メカニズム

地殻変動や断層運動によって地表が局所的に持ち上げられると、通常であれば河川はせき止められたり流路を変えたりする。しかし、河川の持つ下刻作用(下向きの侵食力)が地盤の隆起速度と同等以上である場合、川は隆起の進行と並行して地面を切り削り続けることができる。その結果、山地や丘陵を横断する深い谷が形成され、元の流路がそのまま保存されることになる。

1976年に撮影された長野県北部の千曲川(信濃川)周辺の空中写真
1976年(昭和51年)に撮影された国土交通省の空中写真を基に作成。長野県北部の千曲川(信濃川)。盆地の中央を縦に走る長丘断層の繰り返しの隆起により西側半分に渓谷が形成された。

主な河川例

世界各地および日本国内において、地殻変動の隆起を切り抜けて流れる先行河川の例が知られている。

  • 世界:インダス川、ブラマプトラ川、コロラド川、サトレジ川など
  • 日本:黒部川、天竜川、木曽川、吉野川、球磨川、四万十川、江の川など

よくある質問

先行河川とはどのような川ですか?
地殻変動などによって土地が隆起しているにもかかわらず、川の侵食力がそれに勝ることで、元の流路を変えずにそのまま維持して流れている河川のことです。
先行谷とは何ですか?
先行河川の侵食作用によって、隆起する地形を横切るように形成された谷の総称です。
日本国内における先行河川の例にはどのようなものがありますか?
黒部川、天竜川、木曽川、吉野川、球磨川、四万十川、江の川などが知られています。

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参考文献

小項目事典,百科事典マイペディア,世界大百科事典内言及, 精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典. “先行谷(せんこうこく)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年1月3日閲覧。
“2.六甲山の上昇に負けなかった川”. www2.kobe-c.ed.jp. 2024年1月3日閲覧。