鉱業・冶金学

鉱石の分離技術における選鉱の概要と手法

採掘した鉱石から有用鉱物と不用鉱物を分離する選鉱の基礎知識、単体分離の工程、浮遊選鉱や比重選鉱などの選別手法について解説します。

📌 主なポイント

  • ✓選鉱は採掘した鉱石から有用鉱物と脈石を分離する作業である。
  • ✓広義の選鉱は単体分離の工程と狭義の選鉱に分けられる。
  • ✓浮遊選鉱は岩石表面の親水性と金属の疎水性を利用した選別法である。

選鉱(せんこう、英語: mineral processing / ore dressing)とは、採掘した鉱石から有用鉱物と不用鉱物である脈石を分離する作業、または複数種類の有用鉱物を互いに選別する作業を指す。経済的に資源として回収可能な岩石である鉱石から直接有用成分を抽出する技術もあるが、多くの場合、事前に有用鉱物を分離することでコストを抑えることが可能となる。

基本的な工程

広義の選鉱は、鉱石を細かく砕く単体分離の過程と、狭義の選鉱に大別される。

  • 単体分離:破砕や磨鉱の工程を通じて、可能な限り一粒子が一種の鉱物種になるように分離の準備を行う。
  • 狭義の選鉱:有用鉱物と脈石を物理的性状に基づいて分離する。得られた有用鉱物は精鉱と呼ばれる。選鉱の後に、精鉱から金属を得る工程は製錬と呼ばれる。

選鉱の主な手法

選鉱は基本的に鉱物の化合物形態を変化させず、物理的特性を利用して選別を行う。主な手法には以下のものがある。

  • 浮遊選鉱:岩石表面の親水性と金属の疎水性を利用する手法。
  • 比重選鉱(比重選別・重液選鉱):鉱物間の比重の違いを利用する手法。古くからの人力による椀掛けもこれに含まれる。
  • 磁力選鉱:磁性を利用する手法で、主に砂鉄の選鉱などに用いられる。
  • 静電選鉱:静電特性を利用して選別を行う。
  • その他:空気選鉱や放射能選鉱などがある。

よくある質問

選鉱とは何ですか?
採掘した鉱石から有用鉱物と不用鉱物(脈石)を分離する作業、または複数の有用鉱物を互いに分離する作業のことです。
単体分離とはどのような工程ですか?
破砕や磨鉱によって、可能な限り一粒子が一種の鉱物種になるように細かくする工程です。
選鉱の主な手法にはどのようなものがありますか?
浮遊選鉱、比重選鉱、磁力選鉱、静電選鉱などがあります。

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参考文献

中村 威一「最新選鉱技術事情鉱種別代表的プロセス編(1)―銅―」金属資源レポート2013年5月号 / 若松 貴英「銅鉱物の分離・選別技術」エネルギー・資源学会 / 広渡 文利「マンガン鉱物と鉱石」産総研地質調査総合センター