船舶の主たる構造体である船体の構造と材質

📌 主なポイント
- ✓船体とは、船底、舷側、甲板を含み、マストやエンジンなどの動力を除く容器状の主たる構造体である。
- ✓船体は水を押しのけることでアルキメデスの原理により浮力を得る。
- ✓近代以前の主な材料は木材であり、近代以降は鋼板やFRPなどが用いられている。
- ✓一つの船体をもつ単胴船に対し、複数の船体を繋いだ双胴船や三胴船などの多胴船が存在する。
船体(せんたい、英: hull)とは、船舶の主たる構造体のことである。船底(船体底面・下面)、舷および舷側(船体側面)、そして甲板(船体や船室上の平らな面)によって構成される。マスト(帆柱)やさまざまな艤装、原動機などは船体には含まれない。
船体の基本概念と浮力
船体は水を押しのけることでアルキメデスの原理が働き、浮力を得る容器状の構造体である。静止している状態では、船体には重力と浮力が加わり、重力の中心である重心と浮力の中心は同一鉛直上に位置する。
船体の設計においては、さまざまな機能や要求が考慮される。ひとつの機能面での性能を高めれば他の機能が犠牲になるというトレードオフの関係が成り立つため、船舶の用途や使用者の希望に応じてバランスが調整される。
船体の材質と変遷
船体の主たる材料としては、木材、鋼板、アルミニウム、FRPなどが挙げられる。歴史的には長らく木材が主要な材料として用いられてきたが、近代以降は大型化に伴い鋼板が主流となり、さらに20世紀後半からはFRPなども利用されるようになった。
木造船
古代から近代まで、船体の材料としては主に木材が用いられてきた。欧州式の木造船では、船首から船尾までの竜骨(キール)を組み、それに垂直方向に伸びる船側フレームや肋骨を配置した上で、プランクと呼ばれる横板を貼り付ける手法が取られてきた。
鋼板と溶接技術
近代の船舶大型化に伴い鋼板が用いられるようになったが、20世紀半ばすぎまではリベット接合が主流であった。巨大な力が加わると接合部が破損するリスクがあったが、20世紀後半に溶接技術が造船現場に普及したことで、鋼板本来の強度が十分に活かされるようになった。
繊維強化プラスチック(FRP)
20世紀後半からはFRP製の船体も増加し、日本国内では1966年頃から漁船のFRP化が推進された。しかし、使用過程で樹脂の亀裂から内部へ水が浸入する課題なども存在することが指摘されている。
単胴と多胴
一つの船体のみをもつ通常の船舶を単胴船といい、複数の船体を平行に繋いだ船を多胴船という。多胴船には双胴船(カタマラン)や三胴船(トリマラン)が含まれる。
船型制限
世界各地を航行する際、国際運河や海峡などの規模による制限を受ける。主な制限値として、パナマックス、ニューパナマックス、スエズマックスなどが挙げられる。
よくある質問
船体にエンジンやマストは含まれますか?
船体が水に浮く理由は何ですか?
大型の現代船の船体にはどのような材質が使われていますか?
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参考文献
- Oxford Lexico, hull.
- 土屋孟、「こんなところに複合材料:歴史編―II.FRP漁船の開発史」 『日本複合材料学会誌』 2003年 29巻 4号 p.129-135
- 池田良穂著 『図解雑学 船のしくみ』 ナツメ社 2006年
- 池田宗雄著 『船舶知識のABC』 成山堂書店 第2版
- 吉識恒夫著 『造船技術の進展』 成山堂書店 2007年