地球科学
雪氷学と雪氷現象の概要
氷や雪を対象とする学問「雪氷学」の定義、関連する研究分野、および降水や積雪などの「雪氷現象」について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓雪氷学は、水が固相となった氷と雪を対象とする総合科学である。
- ✓英語の「glaciology」の訳語として、氷河を越えて氷雪全体を扱う「雪氷学」が日本で広く用いられてきた。
- ✓地球上の現象にとどまらず、火星などの宇宙の氷を対象とする宇宙雪氷学という分野も存在する。
- ✓雪氷現象には、降雪、着氷、積雪、氷河、海氷など、固体の水に関わる多様な現象が含まれる。
雪氷学(せっぴょうがく、英語:glaciology)は、水が固相となった氷およびその降水・堆積形態である雪を主な研究対象とする学問である。
学問の性質と関連分野
雪氷学は、地球科学、災害科学、物質科学、工学など複数の学術分野に関連する総合科学としての性格を持つ。日本では、極地雪氷、凍土、雪氷物性、衛星観測、雪氷工学、雪氷化学、気象水文、吹雪などの分科会や研究会が組織されている。
学術用語として「氷雪」ではなく「雪氷」という語が選ばれる背景には、歴史的な経緯がある。英語の「glaciology」の本来の訳語は「氷河学」であるが、氷河のみを対象とする氷河学は日本において限定的な発展にとどまった。一方、氷と雪全体を広く対象とする雪氷学は国内で独自の発展を遂げたため、現在では「雪氷学」という表現が定着している。
また、地球上の環境に限らず、火星をはじめとする宇宙空間の氷を対象とする研究は宇宙雪氷学と呼ばれている。
雪氷現象
雪氷学の領域で扱われる気象や自然の現象は、総称して雪氷現象と呼ばれる。これには、水の固体状態を経るあらゆる気象現象やそれに付随する事象が含まれる。
- 降水・降雪関連の現象:雪、あられ、雹、みぞれ、凍雨、雨氷、細氷(ダイヤモンドダスト)、および吹雪など。
- 着氷現象:霜、霧氷(樹氷、粗氷、樹霜)、氷霧、過冷却の霧など。
- 積雪・氷体に関わる現象:根雪、万年雪、氷河、氷床、棚氷、融雪、着雪、つらら、氷筍、海氷、氷山、流氷、結氷、霜柱など。
主な関連機関
日本国内において雪氷学や関連する技術・防災の研究を行っている主な機関には、国立極地研究所、北海道大学低温科学研究所、防災科学技術研究所の雪氷防災研究センターなどが挙げられる。
よくある質問
雪氷学とはどのような学問ですか?
水が固まった氷や、その降水・堆積形態である雪を対象とする総合科学であり、地球科学や災害科学などの分野と深く関連しています。
「雪氷学」と「氷河学」の違いは何ですか?
氷河学が主に氷河を対象とするのに対し、雪氷学は氷河だけでなく氷と雪全体を広く対象としています。
宇宙雪氷学とは何ですか?
地球上の氷だけでなく、火星などの宇宙空間に存在する氷を研究対象とする雪氷学の分野です。
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日本雪氷学会国立極地研究所北海道大学低温科学研究所中谷宇吉郎
参考文献
日本大百科全書(ニッポニカ)「雪氷学」(コトバンク)