再生可能エネルギー
雪氷熱利用と冷房技術の概要
冬季に蓄積した雪や氷の冷熱エネルギーを活用する雪氷熱利用の仕組みや、冷房・農産物保存における特徴とシステム方式について解説します。
📌 主なポイント
- ✓雪氷熱利用は、冬季に蓄積した雪や氷の冷熱エネルギーを活用する再生可能エネルギーの一つである。
- ✓豪雪地帯では排雪に多額の予算が投じられており、雪を冷却資源として活用する試みが進められている。
- ✓農産物の保存において、適度な湿度を保ちながら冷却できるという特徴を持つ。
雪氷熱利用(または雪熱利用、雪冷熱エネルギー利用、雪氷冷房、雪冷房、雪熱冷房、雪冷熱)とは、冬季に蓄積した雪や氷などの冷却力を利用し、冷房や冷蔵などの冷却エネルギーとして活用する再生可能エネルギーの利用方法である。現代における氷室の冷却効果を応用したシステムとして位置づけられている。
概要と背景
化石燃料を用いた冷却システムとは異なり、雪や氷は冬季に毎年のように豪雪地帯へ集積されるものである。多くの豪雪地帯では、積雪は生活や交通の妨げとなる厄介な排除対象であり、例えば人口約2万6千人の北海道美唄市では排雪費用として年間3億円から4億円の予算が計上されるなど、自治体にとって大きな負担となっている。こうした「廃棄物」としての雪を冷却能力の源泉として捉え直し、環境負荷の低減やエネルギーの有効活用を図る試みとして、21世紀以降に改めて利用方法が検討されている。
特徴と利点
雪氷熱は、歴史的に豪雪地帯において農産物の保存や、雪氷を氷室に保管して夏季の冷却剤として利用されてきた。20世紀後半以降、化石燃料や電力による機械式冷却が主流になると一度は利用が衰退したものの、二酸化炭素(CO2)排出問題への関心や環境意識の高まりを受けて、再生可能エネルギーを活用した雪冷房システムとして再び注目を集めている。
雪氷熱利用の主な特徴として、以下の点が挙げられる。
- 適度な湿度を保つことができるため、農産物をはじめとする食糧庫や貯蔵施設の冷却に最適である。
- 自然な冷却風を得ることができ、空気中の塵や塩分などの不純物を吸収しやすい特性がある。
冷却システムの方式
雪氷熱を利用した冷却・冷房システムには、用途や規模に応じていくつかの方式が存在する。
- 冷水循環式雪冷房:強制的に雪を解かして得た融解冷水を冷熱源とし、配管を通じて循環させることで冷房を行う方式。
- 全空気循環式雪冷房
- 水空気併用循環式雪冷房
- 自然対流式(氷室方式)
- 閉鎖型全空気循環式
- 冷凍機併設ハイブリッド式
- 雪山冷水循環式:融雪水を用いて直接冷却対象を冷やす方式。
よくある質問
雪氷熱利用とはどのようなものですか?
冬季に蓄積した雪や氷の持つ冷却力を、冷房や農産物の保存などの冷却エネルギーとして利用する再生可能エネルギーの活用方法です。
雪氷熱利用にはどのような方式がありますか?
冷水循環式雪冷房、全空気循環式、水空気併用循環式、自然対流式(氷室方式)、閉鎖型全空気循環式、冷凍機併設ハイブリッド式、雪山冷水循環式などがあります。
雪氷熱を利用した冷房の特徴は何ですか?
適度な湿度を保って食糧庫などを冷却できる点や、自然な冷却風が得られる点などが特徴として挙げられます。
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参考文献
経済産業庁雪氷熱利用解説ページ / 美唄市平成26年度予算概要 / 北海道庁食糧備蓄関連資料 / 経済産業庁北海道経済局資料 / 美唄市の雪冷房マンション(エネルギー総合工学財団表彰)