霜柱の発生メカニズムと地形への影響

📌 主なポイント
- ✓霜柱は地中の液体の水が毛細管現象によって吸い上げられ、地表で凍結して形成される。
- ✓空気中の水蒸気が直接凍る「霜」とは異なる現象である。
- ✓関東ローム層などの特定の粒度の土壌で発達しやすい。
- ✓植物の茎などに発生する同様の氷の結晶は「氷花」と呼ばれる。
霜柱(しもばしら)とは、冬季などに気温が氷点下に低下する際、地中の水分が地表にしみ出して無数の細かい柱状に凍結した自然現象である。

空気中の水蒸気が昇華して地表に付着する「霜」とは異なり、霜柱は地中にある液体の水が凍結して形成される点が特徴である。
発生機構と性質
放射冷却によって地表が冷え込むと、地中深部からの熱伝導により、大地は深い場所ほど温度が高くなる温度分布が生まれる。地表付近が0度以下に冷えかつ比較的乾燥している一方、地中は0度以上を保ち相対的に温かく湿っている状態のとき、上部での凍結を起点として土壌の粒子間隙を伝い、凍っていない地中の水分が吸い上げられる。この作用は毛細管現象(毛管現象)と呼ばれる。

水分は氷晶の下端に次々と凍って付加され、若干の土を頂部に乗せたまま、氷は柱状となってほぼ鉛直上方へ伸長していく。発生は冬の夜から朝にかけてが典型的であり、長大なものでは10センチメートルを超える事例が確認されている。

土がむき出しになった裸地に発生しやすい一方、砂地や粘土、砂利の地面では発生しにくい。関東地方の赤土(関東ローム)に発生しやすいのは、土の粒子が霜柱の成長に適した大きさであるためである。

地形変状および農業への影響
霜柱は小規模な周氷河地形の営力のひとつであり、土壌を変状させる。寒冷地において、土が霜柱により浮き上がり、融解時に沈下する現象が繰り返されることで、斜面では下方への移動変形である霜柱匍行が生じる。
農業やインフラにおいては、凍結と融解の繰り返しによる「凍上害」を引き起こすことがある。芽生えたばかりの植物の根や茎が土とともに持ち上げられると、根の定着不良や乾燥を招いて枯死に至るケースがある。そのため、藁を敷き詰めるなどの防寒対策が講じられる。一方で、冬の初めに田畑の土を荒く起こしておき、霜柱の形成と融解によって自然に土を細かく砕く農法に利用されることもある。
類似の現象(氷花)
植物の茎や地表の構造に由来して、霜柱に似た氷の結晶が形成される現象が知られている。

秋に花を咲かせるシソ科の植物であるシモバシラなどでは、冬期に枯れた茎の表面から薄い板状の氷の結晶が放射状に発達する。こうした現象は総称して氷花(ひょうか)や霜華などと呼ばれる。

よくある質問
霜柱と霜の違いは何ですか?
どのような土地に霜柱ができやすいですか?
農業において霜柱はどのような影響を与えますか?
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参考文献
- 最新 気象の事典、東京堂出版、1993年。
- 新版 雪氷辞典、古今書院、2014年。
- 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』
- 平凡社『改訂新版世界大百科事典』