植物
シロダモ:クスノキ科の常緑高木

シロダモ(学名: Neolitsea sericea)は、クスノキ科シロダモ属の常緑高木です。特徴的な葉の形態や生態、分布、人間との関わりについて解説します。
📌 主なポイント
- ✓シロダモはクスノキ科シロダモ属の常緑高木である。
- ✓雌雄異株であり、秋に花を咲かせ、翌年の秋から冬に果実が赤く熟す。
- ✓葉の裏面がロウ質で粉白色を呈することが和名の由来の一つとされる。
- ✓かつて種子から採取される油は、灯火用や石鹸の原料として利用された。
シロダモ(学名: Neolitsea sericea)は、クスノキ科シロダモ属に分類される常緑高木の一種です。本州(宮城県・山形県以南)から南西諸島、朝鮮半島南部、中国、台湾にかけて分布し、暖地の森林に生育します。

形態的特徴
樹高は5–15メートルに達します。樹皮は緑色を帯びた紫褐色から暗褐色で、平滑なのが特徴です。葉は互生し、枝先に集まってつく傾向があります。葉身は長楕円形から卵状長楕円形で、表面は濃緑色で光沢があり、裏面はロウ質に覆われて粉白色を呈します。若葉は帯白色から黄褐色の毛に覆われ、下垂するのが特徴的です。

生態と繁殖
雌雄異株であり、秋に小さな黄白色の花を密集して咲かせます。果実は楕円状球形の液果で、翌年の秋から冬にかけて赤く熟します。花と果実を同時に観察できる時期があることも本種の特徴です。

人間との関わり
古くから庭木や防風林として利用されてきました。また、種子からは油(ツヅ油など)が採取され、かつては灯火用や石鹸、蝋燭の原料として利用された歴史があります。シラミ防除や除虫用として活用された記録も残っています。

保全状況
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは低危険種(LC)に指定されています。一方で、日本国内の秋田県や長野県など、分布の北限域に近い地域では絶滅危惧I類に指定されるなど、地域によって保全状況が異なります。

よくある質問
シロダモの分布域はどこですか?
日本では宮城県・山形県以南の本州、四国、九州、南西諸島に分布し、国外では朝鮮半島南部、中国、台湾に生育しています。
シロダモはなぜ「シロダモ」と呼ばれるのですか?
葉の裏面がロウ質に覆われて白く見えるタモ(クスノキ科の樹木)という意味から名付けられたとされています。
シロダモの種子から採れる油は何に使われていましたか?
かつては灯火用の油や、石鹸、蝋燭の材料として利用されたほか、シラミ防除や除虫用としても活用されていました。
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参考文献
- de Kok, R. (2021). Neolitsea sericea. The IUCN Red List of Threatened Species 2020.
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-). BG Plants 和名−学名インデックス(YList).
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 (2014). 『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』 誠文堂新光社.
- 太田和夫 (2000). 『樹に咲く花 離弁花1』 山と渓谷社.
- Flora of China Editorial Committee. Neolitsea sericea. Flora of China.