自然科学
湿原の生態系と地理的特徴に関する解説

湿原の定義や泥炭地・非泥炭地といった分類、日本国内の主な湿原やラムサール条約登録地について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓湿原は淡水によって湿った草原であり、湿地の一種に分類される。
- ✓植物遺体が分解されずに堆積することで泥炭地を形成し、年間約1ミリメートルの速度で厚みを増していく。
- ✓北海道の釧路湿原は、1980年6月に日本で最初にラムサール条約の登録湿地となった。
湿原(しつげん)とは、湿地の一種であり、主として淡水によって湿った草原を指す言葉である。英語圏では環境や植生の性質に応じてムーア(moor)やボッグ(bog)などと表現される。学術的あるいは行政的な定義は一様ではなく、ケースバイケースで運用されている。

湿原の分類
淡水の湿地は、地下や地表における泥炭の有無によって大きく区分される。一般的な森林環境では、落葉や枯れ枝が微生物によって分解されて土壌となり、再び植物の養分として循環する。これに対し、湿原においては植物遺体が完全に分解されずに蓄積して泥炭を形成するため、特有の栄養環境が生まれる。泥炭地湿原の場合、植物遺体の堆積により年間でおおむね1ミリメートル前後の速度で厚みが増していく。
日本の湿原と保全活動
日本国内においては、北海道や東北地方を中心に大規模な湿原が分布している。地域によっては「谷地」や「田代」といった呼称で呼ばれることもある。中でも北海道に広がる釧路湿原は、日本国内の湿原全体の約6割ほどの面積を占めており、釧路湿原国立公園として厳重な保護が図られている。同湿原は1980年6月に、日本国内で初めてラムサール条約の登録湿地となった。
日本国内の主なラムサール条約登録湿原
よくある質問
湿原とはどのような場所を指しますか?
淡水によって湿った草原であり、湿地の一種です。学術的・行政的な定義は多様ですが、一般に泥炭の蓄積などを伴う環境を指します。
湿原が通常の森林と異なる点は何ですか?
通常の森林では落葉や枯れ枝が分解されて養分が循環しますが、湿原では植物遺体が泥炭として堆積するため、養分の循環や分解の仕組みが異なります。
日本で最初にラムサール条約に登録された湿原はどこですか?
1980年6月に登録された北海道の釧路湿原が、日本で最初のラムサール条約登録湿地です。
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参考文献
- 辻井達一『湿原力神秘の大地とその未来』北海道新聞社、2013年。
- 矢部和夫「湿地とは何か」『湿地への招待ウェットランド北海道』北海道新聞社、2014年。
- 文部省編『学術用語集 地理学編』日本学術振興会、1981年。
- 国土交通省国土地理院 『<湿原・湿地の定義に関する参考資料>』。