軍隊における将官階級の構造と各国の制度

📌 主なポイント
- ✓将官は佐官の上位に位置し、陸軍・空軍では将軍、海軍では提督と総称される。
- ✓ヨーロッパの陸軍階級呼称には、旧欧州方式とフランス革命方式が存在する。
- ✓自衛隊では「将」と「将補」の2階級制を採用しているが、対外的には大将・中将・少将などの英訳や階級に対応させて運用されている。
将官(しょうかん)は、軍隊における階級区分のひとつであり、佐官の上位に位置する。陸軍や空軍では「将軍」、海軍では「提督」と総称されるのが一般的である。その区分は国や軍種によって多岐にわたり、2階級制を採用している組織から4階級制を採用している組織まで様々である。なお、階級としての元帥は、通常は将官に含まれないことが多い。
概説
近代的軍隊の成立初期においては、平時の最上級編成単位が連隊や個々の軍艦である場合が多く、将官は戦時に臨時に置かれるものや、単なる職務上の役職とされることがあった。そのため、初期の将官区分は少なかったり、比較的下位の階級のみが任命されたりすることが多かった。例えば、独立直後のアメリカ合衆国では陸軍中将が最上級であった。
現代の軍隊において、陸軍の将官は主に軍司令官や師団長などを務め、海軍では一定規模以上の艦隊指揮官、空軍では航空団の指揮官などを担当する。また、実戦部隊以外でも、国防関連省庁の幹部や参謀本部の要職に就くことが多い。

ヨーロッパ諸国の陸軍における呼称方式
ヨーロッパ諸国の陸軍では、将官の呼称方式として大きく二つの系統に大別される。ひとつは「Lieutenant general」や「Major general」といった標準的な呼称を用いる旧欧州方式であり、もうひとつはフランスやイタリアなどで用いられてきた、部隊階梯に基づいて呼称するフランス革命方式である。
旧欧州方式
フランス革命方式
フランス革命の際に旧来の軍制や階級が見直されて生まれた序列であり、上位から順に軍将軍、軍団将軍、師団将軍、旅団将軍などと呼称される。
各国の階級制度
日本軍と自衛隊の制度
かつての日本軍では「大将・中将・少将」の3階級制を採用しており、准将は置かれなかった。将官は親任官または勅任官であったため、敬称には「閣下」が用いられた。
一方、自衛隊では「将」および「将補」の2階級制を採用している。しかし、対外的な均衡や英訳においては諸外国の階級制度に対応させて運用されている。
- 陸上自衛隊・航空自衛隊:幕僚長や統合作戦司令官たる陸将・空将はGeneral(大将相当)、その他の陸将・空将はLieutenant General(中将相当)、陸将補・空将補はMajor General(少将相当)とされる。
- 海上自衛隊:幕僚長や統合作戦司令官たる海将はAdmiral(大将相当)、その他の海将はVice Admiral(中将相当)、海将補はRear Admiral(少将相当)とされる。
中華民国国軍
中華民国国軍では4階級制を採っているものの、英訳上の准将に相当する階級は置かれておらず、二級上将が一般的な大将に相当するものとして扱われている。国防部参謀総長や各軍司令官には二級上将が充てられ、一級上将は上級大将に相当し、かつては参謀総長就任者に与えられていたが、現在は戦時に限定されている。
特異なケースの国々
諸外国の中には、准将から大将までの階級の一部を欠く国が存在する。例えば、イスラエル軍では大将階級が存在せず、中将が最高階級であり、中将の階級を与えられるのは全軍で参謀総長ただ一人である。また、ウルグアイやコロンビアなどでは近年になって中将階級が廃止されるなどの制度変更が行われている。
よくある質問
将官とはどのような階級ですか?
自衛隊にはどのような将官の階級がありますか?
フランス革命方式とは何ですか?
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参考文献
- Almanach Hachette 1917年度版 82頁、日本陸軍階級チャート。
- 陸海軍軍官士官任官条例。
- 陸海軍軍官士官任官条例の英訳。