土木工学・河川工学

修景護岸の構造と事例について

修景護岸の定義や素材、構造の違いによる分類(自然石護岸、カラーブロック護岸など)および具体的な河川の事例について解説します。

📌 主なポイント

  • 修景護岸は、景観や周辺環境への配慮を目的としてデザインや素材を工夫して作られた護岸である。
  • 素材や構造の違いにより、自然石護岸、カラーブロック護岸、法枠ブロック護岸、木杭詰石護岸などに分類される。
  • 城崎温泉を流れる大谿川では、地域の黒色玄武岩の切石を用いた特徴的な護岸が整備されている。

修景護岸(しゅうけいごがん)とは、景観の向上や周辺環境との調和を目的として、デザインや素材などに配慮して整備された護岸のことである。

使用される素材や構造の違いにより、自然石護岸、カラーブロック護岸、法枠ブロック護岸、木杭詰石護岸などに分類される。

主な分類と構造

修景護岸は、その目的や地域の特性に合わせて多様な構造が採用される。

  • 自然石護岸:自然石を練張りまたは空張りで積み上げたものであり、景観上の配慮から名所や旧跡、観光地などで多く採用されている。
  • カラーブロック護岸:カラーコンクリート製のブロックを使用した護岸である。地域的な特徴を演出するために、コンクリート面にタイルや陶片を張り込む特殊な施工事例も存在する。
  • 法枠ブロック護岸:枠状のブロックを利用し、その中空部に自然石や玉石などを埋め込む構造を持つ。
  • 木杭詰石護岸:木杭によって壁体をつくり、その内部に石を詰めて構成する手法である。

具体的な事例

日本国内の様々な河川や水辺において、それぞれの特徴をいかした修景護岸が整備されている。

  • 桂川(京都府)や水無谷川(福井県)、弘田川(香川県善通寺市)、山王川(岡山県)、太田川(広島県)などでは、自然石を用いた護岸の事例が見られる。
  • 兵庫県豊岡市の城崎温泉を流れる大谿川では、地域で産出される黒色の玄武岩をブロック状に切石加工して積み上げ、独自の景観を作り出している。
  • 土岐川(愛知県)および庄内川(愛知県)では、カラーブロック護岸などの事例が確認できる。
  • 滝沢川(山梨県)や矢作川(愛知県)では法枠ブロック護岸が採用されている。
  • 利根川においては木杭詰石護岸の事例が見られる。

よくある質問

修景護岸とは何ですか?
修景を目的として、護岸のデザインや素材などに配慮してつくられた護岸の総称です。
修景護岸にはどのような種類がありますか?
素材や構造の違いにより、自然石護岸、カラーブロック護岸、法枠ブロック護岸、木杭詰石護岸などに分類されます。
自然石護岸の事例にはどのような場所がありますか?
京都府の桂川、福井県の水無谷川、香川県善通寺市の弘田川、岡山県の山王川、広島県の太田川などが挙げられます。

関連記事

護岸河川工学景観設計土木構造物

参考文献

亀山 章・樋渡達也『水辺のリハビリテーション―現代水辺デザイン論』ソフトサイエンス社、1993年、ISBN 978-4881710494
土木学会編集『水辺の景観設計』技報堂出版、1988年、ISBN 978-4765514859