気象学
気象学における驟雪のメカニズムと観測手法

対流性の雲から降る降雪現象である驟雪(しゅうせつ)の定義、気象学的メカニズム、天気予報での表現、および気象観測における表記方法について解説します。
📌 主なポイント
- ✓驟雪は対流性の雲(積雲や積乱雲)から降る雪である。
- ✓降雪強度が急に変化し、降り始めや降り止みが突然であることが特徴である。
- ✓天気予報の音声解説などの場面では「にわか雪」と言い換えられる。
驟雪(しゅうせつ、英: snow shower)とは、対流性の雲から降る雪のことを指す気象用語である。降雪強度が急激に変化し、降り始めや降り止みが突然であること、そして空間的な雪の分布の変化が大きく散発的であることが特徴とされる。短時間で止むような一過性のものは「にわか雪」とも呼ばれる。

発生のメカニズム
驟雪をもたらす対流性の雲には、積雲や積乱雲が挙げられる。これらは大気が不安定な状態にある際、上昇気流によって垂直方向へ発達する一方で、水平方向への広がりが小さいという性質を持つ。そのため、一つの雲が通過する際に地上へもたらす降雪は平均して十分程度、長くても数十分程度であり、比較的すぐに停止する。
複数の対流性の雲が連続して通過する場合には、降り出してはすぐに止む現象が繰り返し観測され、全体として強度の激しい雪が継続しているように見受けられる。なお、晩秋から冬にかけての日本海側などでは、晴れや曇りが交互に現れ、一過性ではなく断続的な雪や雨が続く天気が見られることがあるが、これは驟雪とは区別され「時雨(しぐれ)」や「雪時雨」と称される。
気象予報および放送における表現
気象庁の予報用語においては、音声で伝える天気予報の場面などでは専門用語である「しゅう雪」という言葉は用いず、「にわか雪」と言い換えて伝えられることが一般的である。
気象観測と通報式における扱い
気象観測の現場や各種通報式では、驟雪は特定の記号やコードによって表現される。
- 国際気象通報式(SYNOP・SHIPなど): 観測時の降水の有無、雨や霙、霰、雹、雷の伴い有無、および強度の段階を組み合わせて選択される。
- 日本式天気図・ラジオ気象通報: 観測時にしゅう雪が降っている場合の天気は「にわか雪」とされ、天気記号としては「ニ」が使用される。ただし、霰や雹、雷を伴う現象が同時に発生している場合は、そちらの記述が優先される。
- 航空気象通報式(METAR・TAF): 特性の欄における「SH」がしゅう雨性(ショール)を表し、降水現象の欄における「SN」が雪を表す。
よくある質問
驟雪とはどのような雪ですか?
対流性の雲から降る雪のことで、降雪強度が急に変化し、降り始めや降り止みが突然であること、散発的であることが特徴です。
「にわか雪」との違いは何ですか?
短時間で止むような一過性の驟雪のことが「にわか雪」と呼ばれます。意味としてはほぼ同義ですが、天気予報の音声などでは「にわか雪」という表現が使われます。
どのような雲から降りますか?
積雲や積乱雲といった対流性の雲から降ります。
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参考文献
- 「予報用語 降水」、気象庁。
- 「驟雪」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』コトバンク。
- 「俄雪」『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』コトバンク。
- 「snow shower」『Glossary of Meteorology』アメリカ気象学会。
- 菊地勝弘 『雪と雷の世界 雨冠の気象の科学-Ⅱ』 成山堂書店、2009年。